演題: 宇宙と生命           国立天文台, 大石 雅寿

「宇宙と生命」と言うと、宇宙人の話と思ったかもしれない。残念ながら宇宙人の話
もUFOの話もない。天文学の研究によって分かった星間ガスから星・惑星形成の過程の
ことをお話し、そして、現代天文学の熱いテーマになりつつある宇宙と生命との関連を
探る研究のお話をしようと思っている。

この世の全てのものは元素からできている。元素は、ビッグバンか星の中、または、
超新星爆発の時に形成される。これらの元素は、やがて宇宙を漂い、集積し、星間ガ
スという恒星間に存在する極低温・極低密度の状態となる。宇宙の星や惑星は、星間ガ
スが自分自身の重力によって収縮することにより生まれたことが分かっており、1995年
以来500個を越える太陽系外惑星も見つかっている。天文学者の多くは、地球以外にも
いくつかの惑星上では生命が誕生したと考えている。生命がどうやって誕生したか
− 生命の起原 − については地球上で誕生したと考える研究者もいれば、生命の種
(前生命物質)が宇宙からやってきたと考える研究者もいる。星間ガスの中には生命に
関連する有機物質が含まれ、彗星からも有機物質が見つかっている。このことを考える
と、46億年前に地球が誕生した頃には、もしかしたら、原始太陽系内に存在していた
有機分子が宇宙から降り積もり、生命の誕生に繋がったのかもしれない。

講演では、これらのことをできるだけ易しくお話しする。