手作り望遠鏡製作

2013年9月21日,月例講演会,渡部一浩先生の講演を、中嶋がメモ、再構成

*自作感
 ・可能な限り全自作
 ・「ものづくり」を楽しもう.

*自作歴
 ・自己紹介(略)

*製作歴
 ・3台しか作っていない: 
   25cmニュートン
   25cmカセグレン
   40cmF10.7カセグレン 
 ・1台5年くらい

*反射望遠鏡の構造
  グレゴリー,ニュートン,カセグレン,ナスミス

*最初の望遠鏡
 ・製作状況(略)

 ・結果は,鏡面精度は1/3λ
   測定が難しかった
 


*測定技術について  ・合格ラインはどこか?    F値で異なる    カセグレンのF3であれば大変厳しい      ナイフの位置の精度 0.01mm程度  ・うまく測定できない理由    周囲の風でも動く    達人ならばこれでも可能,素人はむり  →そこで:   素人でも測定できる装置の開発    1) (振動傾き)リモコン操作    2) (風で揺らぐ)パソコンに映像を取り込む    3) (携帯可能)ノートパソコンの制御による自動測定装置  ・これらを(駿台学園)研磨講習会で使用    測定結果の例(右図)   
*望遠鏡の製作    ・カセグレンの諸方式    純カセグレン    ダルカーカム    リッチークレチアン     → それぞれの方式で,鏡面の形状いろいろ  ・25cmカセグレン    → 2004年11月天文ガイドに紹介 *40cmカセグレン,製作状況    ・2005年,計画スタート  ・まずは主鏡の製作(砂ずり)    主鏡の穴あけ 卓上ボール盤で    ピッチ板 シリコンで    ピッチ研磨は人力では無理なので,研磨機を製作    放物面への整形     → 小さいピッチ板を作成して局所的に研磨  ・副鏡の製作      副鏡は凸面鏡なので,凹面鏡を作ってニュートンリング     によるフリンジテストを行う.    基準面(凹面鏡)はフーコーでテストできる    真ん中が欠けたピッチ板で研磨して凸面鏡を作る.    プロのようにきれいな平行縞模様は難しい.  ・鏡筒の製作(略)    ・架台      簡単な構造の赤道儀にする.    ウォームギヤも,バーベルから自作    赤道儀,鏡筒,おもりで 150kg    構造部分の厚板は,軽量化のために無垢から中貫加工.    アルミは自分の家でアルマイト加工.      ・コントローラ    基板やプログラムを自作  ・鏡筒(60kg)の持ち上げ        治具を作る  ※教訓:      難しい作業はモチベーションの高いうちに    毎日少しだけでもやってゆく    家族から見放されないように
*望遠鏡の運用      ・観測場所への移動    → 軽自動車を改装  ・ファーストライト        土星が二重に見える!    → 主鏡の取り付け金具の      締め付けを緩めて解決.  ・望遠鏡を携えて遠征        星祭などに参加.    ・今後の改良    副鏡を再製作したい.
*次期計画  ・5年も経つと技術の進歩も著しい.  ・複合素材を使用  ・パルスモーターでダイレクトドライブ
*まとめ  ・自作のおもしろさ  ・自分への挑戦  ・あきらめずに     ・限界を自分で決めない
ーーーー質問ーーーーーーー *副鏡の精度向上はどのようにしてゆくか?  誰に聞いてもなかなか教えてくれない,企業秘密.   自分で見出すしかない.  回転の速さを調節してできないか. *こだわりは?  市販品は真似できない,自分独自の構造で.  自分のできる範囲でやると,市販品とは異なる形になる   (専門の知識を活用)  高い精度の部品は自作では無理   電気的に補正するとか *費用は?  5年間の小遣い  家族との関係に配慮 *家の中の保管?  軽自動車の中に保管  今の所熱などは影響されていない  振動にも耐えられている. 以上