2017年9月16日 第618回 月例天文講座

すべての人に星空を
  -宇宙と私たちのつながり- 

 一般社団法人 星つむぎの村 共同代表
 星空工房アルリシャ       代表  高橋真理子

1. はじめに
 当方は、山梨県立科学館で長らくプラネタリウムの仕事に携わったのちに独立し、現在は、「星空を届ける」活動をしている。「届けたい」相手が、山ほどいることを痛感しているからである。それは病気や障害、環境などで、ホンモノの星空を見ることができない人たち、星空や宇宙の情報から遠い人たち、現代のストレス社会の中にいて星空を見るのを忘れてしまった人たち。その活動の原点は、この20年間、星の仕事をさせていただく中で、多くの人たちから、「星を見上げることは、〝生き死に″に関わる問題」と教えてもらったことにある。
 本講演では、私があちこちに「届けて」いるプラネタリウム投影を、Space Fantasy LIVE(一部)という形で味わっていただいたのちに、特に力をいれている「病院がプラネタリウム」という活動について紹介する。

2.Space Fantasy LIVE-宇宙と私たちのつながり(紹介文)
 地球に生きている私たちは、誰もが「星」を見ることができます。誰もが「音楽」を楽しみます。星を見ると何故かなつかしい気分になったり、希望を感じたり、音楽を聞くと心地よくなったりするのは、そこに、いのちや想像力の原点があるからかもしれません。喜びや哀しみを抱えながら、宇宙の中では一点にもならない、いのちあふれる星にみんな住んでいます。
 音楽とともに壮大な宇宙を体感し、いのちは互いにつながっていること、そして一人ひとりは宇宙のすべてとつながっていることをこのライブを通じて感じてもらえればと願っています。
 ご覧いただく宇宙映像は、UNIVIEWという素晴らしいツール。インタラクティブにショウを進めていくために開発されたものです。

3.「病院がプラネタリウム」の活動について
 現代の科学が教える宇宙観は、生物として生きる私たちに、ある一つの「軸」を与えてくれるように思う。それは私たちが大いなる自然の中の一部であるということを教えてくれるからではないだろうか。
 なかなかホンモノの星空を見ることができない人たちに星空を届けることの活動は、2014年1月に本格始動、以来、70カ所以上、年間40数回の回数を重ねて行っている。最初は「星空工房アルリシャ」という高橋個人の活動からスタートしたが、現在は、当方が共同代表を務める「一般社団法人 星つむぎの村」がその運営主体となって、全国のあちこちから共感してくれる仲間とともに、全国あちこちで行われる活動を目指している。また、いずれ「プラネタリウム療法」と呼ばれる新分野を開拓したいと考えている。

参考:
 星空工房アルリシャ http://alricha.net  (月1回のメルマガも発行)
 一般社団法人星つむぎの村 http://hoshitsumugi.main.jp (村人になりたい方はこちら)
 病院がプラネタリウム http://hospla.net (ご支援も大募集!)
  スターオーシャン八ヶ岳 http://star-yatsugatake.com/ (満天の星空体験は八ヶ岳へ)
 戦場に輝くベガ http://www.veganet.jp/ (去年の天文講座で上映していただきました)

 髙橋真理子 「人はなぜ星を見上げるのか ― 星と人をつなぐ仕事」 (新日本出版)
  ※今年の「読書感想画中央コンクール」の中高生向け指定図書に選ばれました。
 
[参考](中嶋記)
*右上カットは,病院がプラネタリウムのページより
  (クリックすると拡大します.)