2018年8月18日 第629回 月例天文講座
望遠鏡の鏡面蒸着はどのようにするのか?
― 自作真空蒸着装置 ―
望遠鏡製作研究家 渡部 一浩
星空観察と工作が好きな人にとって、自分で作った望遠鏡で星空観察を行うことは、とても楽しいことです。
また、その製作工程を体験することにより、多くの知識や技能を習得することができます。
望遠鏡は色々な分野の技術によって成り立っています、今回は鏡面蒸着をテーマとして真空蒸着の原理と
自作真空蒸着装置の製作過程をご紹介したいと思います。
今回ご紹介する真空蒸着装置は、構想から完成まで約13年をかけて、自分なりに課題を乗り越えるために
知識や技能のレベルを高めると共に、自分の用途に合った蒸着装置を目指して設計変更を繰り返してきました。
望遠鏡を自作するために勉強や作業経験を積んでステップアップすると、今まで見えていなかった課題や
目標が現れるものです。
次第に目標も高く課題解決も困難になっていきますが、それに向かって挑戦していくことが自作の醍醐味
だと思います。
[参考](中嶋記)
*右上カットは,渡部さん自作の40cm反射望遠鏡(北軽井沢にて,2014年)
*2013年の渡部さんのお話:
40cm手作り望遠鏡製作