2月20日 中嶋 浩一 担当 概要紹介
ジョージ・ガモフとビッグバン宇宙論

 宇宙が大爆発(ビッグバン)とともに始まったという 「ビッグバン理論」を、基礎的なところから解説します。
 1929年にハッブルが「宇宙が膨張している」ということを示唆する 観測データを発表しました。このことは、時間をさかのぼれば宇宙はより 小さかったということを示し、果ては「宇宙に始まりがあった」ことを示します。 そしてその宇宙の始まりは一種の「大爆発」のようなものだった、と考えるのが 「ビッグバン宇宙論」です。
 これに対し、宇宙の始まりというのは考えにくいという立場から、 「宇宙は確かに膨張しているが、それは始まりがあったことを意味するのではない」 とする「定常宇宙論」という理論が提唱されました。
 この両理論のどちらが正しいかということに決着をつけたのが、電波観測による 「宇宙背景放射の発見」でした。ビッグバン理論の成立のこのような事情について、 本講演の前半で、基礎知識的な観点から解説します。
 後半では、このビッグバン理論の成立に大きく貢献した、大変ユニークな物理学者、 ジョージ・ガモフについて、その業績および彼の波乱に満ちた一生をご紹介します。