2021年1月16日 第658回 月例天文講座 

宇宙が子どもの心に火を灯す
KUーMA「宇宙の学校」親子による体験学習   

  KU-MA 子ども・宇宙・未来の会会長 並木 道義 先生

  ●「宇宙の学校」は、地域の主催者とJAXA宇宙教育センター、 子ども・宇宙・未来の会
   (KU-MA)が連携し、全国で約50か所以上で開催しています。
  ●家族で楽しみながら行う「家庭学習」と同じ地域の人たちが集まって行う「スクーリング」
   を組み合わせた教育プログラムで、親子参加型として活動しています。

こどもの教育と「宇宙」
 太陽、大気、水、大地、重力、多様な生物などが織りなす身の回りの事象は、特別に意識されていないが「宇宙」の一部であり、私たちの日常と深くつながっている。
 したがって、学ぶ対象を100㎞先の時空にだけ求めるのではなく、子ども自身と身の回りの事象を基点に地球を包含する「宇宙」について扱うことが大切である。
 子どもの時空は短く狭い。子どもの時空を無理なく宇宙に広げていくには身近な事象を捉え、理解するための「視座」を発達段階に応じて培っていく必要がある。

-宇宙教育の理念-
 宇宙に関する科学や技術、そして宇宙活動には、青少年に感動を与える、他の分野にはない魅力や大きな影響力が詰まっており、子どもたちに教育活動の素材としてのポテンシャルが極めて高いと思われる。
 従って、これらの素材を使った「宇宙の学校」は、宇宙を題材に子どもたちの裾野を広げるとともに、幅広い人づくり教育を行い、次世代の日本を担う青少年の、広い意味での人材育成・人格形成に貢献すると考えられる。
 宇宙教育は、JAXAなどが行う宇宙活動で得られた様々な知識や技術、データや成果をもとに、子どもたちを対象に、学校や地域と連携した教育支援活動を行い、幅広い見識を身につけた豊かな青少年の育成を目指している。

青少年のあるべき姿 目 標 何ができるようになるか
 大人の手を借りなくても学習・研究する子どもの育成

 KU-MAは「宇宙を家庭に届ける」「宇宙を通じて家族の絆を強める」「家庭と地域の絆を学校教育宇宙の学校の活動の土台に据える」という考え方を重視しています。
 日本全国で精力的に展開されている各種の科学教室は好ましいことですが、その成果が、子どもたちの日常性・継続的な意欲に発展していかなければ、新しい日本を築く巨大な流れにはならないと感じています。
 その日常性・継続性を育てるカギが家庭にあるとの考えから、KU-MAは、スクーリングと家庭学習を結合した「宇宙の学校」という画期的な活動スタイルを創造しています。
 どんな人でも参加し取り組める「宇宙の学校」は、子どもたちの成長を願い、家庭の絆を求める多くの人の支持を得て、現在北海道から沖縄までおよそ50ヶ所を超える多くの町で活動を行っています。
 どんな人でも参加し取り組める「宇宙の学校」は、子どもたちの成長を願い、家庭の絆を求める多くの人の支持を得て、現在北海道から沖縄までおよそ50ヶ所を超える多くの町で活動を行っています。

以後 KU-MAの活動等のお話をしていきます。



[参考] (中嶋記)
「KU-MA」ホームページ
KU-MA設立にあたって (名誉会長、的川泰宣先生)
JAXA 宇宙教育センター
*並木先生著書: 『南極気球ものがたり』 (TTS新書)
         『絵でわかる宇宙開発の技術』 (KS絵でわかるシリーズ)