2017年7月7日 11:00〜12:00 第52回 七夕星を語る会
太陽の謎に迫る!
~黒点・フレア・オーロラ~
国立天文台太陽天体プラズマ研究部特任助教 鳥海 森
私たちにとって太陽はもっとも身近な恒星である。地球の生命を育むエネルギー源であるとともに、古来、人類の信仰の対象となり、現在に至るまでさまざまな影響を与えてきた。
17世紀初頭、ガリレオが望遠鏡を使って太陽を観測し、表面に「黒点」と呼ばれる黒いしみのような構造があることを発見した。黒点は強力な磁場のかたまりであり、ときに太陽系最大の爆発現象である「フレア」を生じる。では、黒点はどのように作られ、フレアはどのように発生するのだろうか?
フレアが発生すると、地球の極域では「オーロラ」の活動が活発になることがある。一方で、衛星・通信障害や送電網の故障など、私たちの生活に直接影響を与えることもある。では、なぜ太陽のフレアと地球のオーロラに関係があるのだろうか?そして、どのような仕組みで私たちの生活に影響を及ぼすのだろうか?
太陽のエネルギーは、水素がヘリウムに変換する核融合反応によって生み出されている。しかし、反応に使われる水素は無限ではなく、いつかは核融合反応が終わってしまう。では、太陽の一生はいつ、どのように終わるのだろうか?
このように、身近な星である太陽にはまだまだ多くの謎が残されている。これらの謎に挑むのが、日本の「ひので」衛星をはじめとする太陽観測衛星と、スーパーコンピュータを使ったシミュレーションである。講演では最新の観測ムービーや研究成果を紹介し、徐々に明らかになってきた太陽の姿に迫っていく。
[参考](中嶋記)
*右上カットは,
国立天文台「ひので」のページより,太陽観測衛星「ひので」