2025年3月15日 第708回 月例天文講座  

超伝導技術で挑む銀河と
  ブラックホールの謎

東京大学 教授
          河野 孝太郎 



 現在の宇宙に存在する銀河とブラックホールの質量を調べてみると、 両者は緊密な関係を示すことが明らかになってきました。 こうした銀河とブラックホールの関係は、いつ、なぜ、どのように実現したのでしょうか。 現代天文学における最大の謎の一つとも言えるこの問題に迫る手がかりがサブミリ波と呼ばれる電磁波の観測であり、さらに、そこで鍵となる要素技術が超伝導です。 私たちは、超伝導を、アルマとは異なる形で活用した、全く新しい観測技術を世界に先駆け提唱・実証し、その評価を現在進めています。これが実用化されれば、 従来の観測では見逃されてきた、銀河とブラックホールの成長の鍵を握る天体種族を発見できると期待しています。 講演では、アルマやすばる・JWSTによる最新の観測成果とともに、 超伝導を駆使した新たな宇宙観測技術とその将来展望を紹介させて頂きます。
                


参考資料 (中嶋記)
*右上図は「アタカマサブミリ波望遠鏡実験(ASTE)」の、口径10mサブミリ波電波望遠鏡。
  (ASTEプロジェクトのホームページ より。)
*下図は、開発中のサブミリ波受信機(2009年)   ※ クリックで拡大
  (下記 YouTube より)
YouTubeでの河野研究室の紹介(2009年)
*東京大学理学系研究科、河野先生のホームページ