9月21日, 郡 和範 先生 概要紹介
宇宙のはじまりとインフレーション理論

 郡先生のご専門は、理論物理学を用いた宇宙の研究全般です。総合研究大学院大学の教員紹介ページに次のように記載されています:
「宇宙のはじまりと、ブラックホールなどのコンパクト天体で起こる謎を素粒子物理学を用いて明らかにする理論研究を専門としています。場の量子論、一般相対性理論、数学などを駆使して研究しています。宇宙は138億年前に誕生し、ビッグバンと呼ばれる火の玉の状態から膨張して現在の大きな姿となりました。その火の玉がつくられたのは宇宙年齢が約0.01秒以下、その温度は少なくとも約1000億度以上の高温で、素粒子物理学を用いなければ解明できません。また、火の玉になる前に、光の速度より速く膨張したインフレーションと呼ばれる時期がありました。インフレーションを起こすのも未発見の素粒子の一種であるスカラー場と考えられています。現在の宇宙を構成するエネルギーの内訳は、星や太陽を構成する目に見える通常の物質はたった約5%、目に見えない物質であるダークマターが約25%、そして物質とも呼ぶことができないダークエネルギーが約70%です。インフレーションを起こす素粒子は何なのか?ダークマターとダークエネルギーの正体は何なのか?、そして通常の物質が反物資より多い謎などについても研究を行っています。」


 (中嶋記)