2025年2月15日 第707回 月例天文講座
再帰新星 かんむり座T星
多賀町立博物館館長 高橋 進
かんむり座T星はおよそ80年に一度新星爆発を起こすと言われる天体です。ふだんはおよそ10等で望遠鏡などがないと見られない天体ですが、爆発を起こすと北極星と同じくらいの2等星にまで明るくなると言われています。前回の爆発が1946年だったのでまもなく爆発が起きると予想されるのですが、最近の光度変化の特徴から2024年2月から9月の間で起きるのではとの予想が出されました。この予想により変光星の観測者はもとより一般天文ファンの方たちもかんむり座を見上げるようにもなったのですが、残念ながら2025年を迎えた今現在でもまだ爆発は起きていません。
今回の天文講座では、新星とはどのような天体で、どのようなメカニズムで起きるのか。またどのような根拠で2024年2月から9月の間で爆発が起きると予想されたのか。この後はいつくらいに爆発が起きる可能性が高いのか。実際に爆発が起きた場合はどのような観測をするといいのかなどについてお話ししていきます。できるだけ平易にお話を進めていきますので、必ずしも天文学に詳しくない方も含めてお気軽に聴講していただきたいと思います。
ただ最近になってようやく新星の爆発予報が出されるようになってきましたが、新星の爆発を予想するのはまだまだ難しいところがあります。もしかするとこの講演の直前に爆発が起きるかもしれません。その場合は急遽講演の内容を変更する場合もあります。いずれにせよ今回の講演でかんむり座T星への興味をこれまで以上に高めていただき、80年に一度と言われる天文現象を十分に楽しんでいただければと思います。どうぞご期待ください。
*参考資料(中嶋記)
・右上図は
Sky & Telescope のページ より
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wikipedia
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アストロアーツ
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倉敷科学センター
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仙台市天文台