2025年8月16日 第713回 月例天文講座  

地球接近天体と日本スペースガード協会の活動

 日本スペースガード協会 理事長
         浅見 敦夫 



講演要旨: (8月2日 改定)

1.地球接近天体について
 みなさんの良く知っている流れ星、特に明るいものを火球といいます。隕石として地上に落ちてくるのは流れ星や火球なのでしょうか。地球に接近する天体をNEOといいます。NEOは、いったいどこからやって来るのでしょう。映画「アルマゲドン」や「君の名は。」のような天体の地球衝突はおこるのでしょうか。
 近年、「スペースガード」は「プラネタリーディフェンス」と呼ばれるようになりました。この間、世界各国に地球接近天体を専門に発見・監視観測する施設が稼働し、目覚ましい成果をあげています。  また、NASAのDARTミッションなど軌道変更技術にみられるように衝突回避の技術開発においても、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)、各国の宇宙機関(NASA、ESA、JAXAなど)国際的に連携も確実に進んでいます。
 一方で政府機関・自治体・一般市民・メディアにも、広報活動を通して天体衝突リスクについて正しい知識、適切に備える意識を高めることなどの倫理、法律面など社会科学としてのスペースガード(プラネタリーディフェンス)について紹介します。

2.日本スペースガード協会の活動
 日本スペースガード協会は、天体地球衝突による災害から地球環境をまもる事を目指し、 1996年10月に設立されました。会員数は小学生から研究者まで約250名、機関誌「あすてろいど」を定期的に発行しています。
 日本におけるプラネタリーディフェンスに対応する美星スペースガードセンターや日本スペースガード協会会員のNEO観測の状況やアステロイドデーや小中高校生を対象とした小惑星検出プログラム「スペースガード探偵団」などの教育普及活動、スペースガード研究センターの研究活動の取り組みについて紹介します。




参考資料 (中嶋記)
*タイトルの右の図は スペースガード研究センターのページ より。