昨年度も冒頭の4月に渡邊先生に「太陽活動『極大期』到来早まる?」というテーマでお話しいただきましたが、その後の太陽活動や理論の進展は著しく、今年度もまた冒頭に渡邊先生にお話を伺います。
今回の講座では、ガリレオが初めて望遠鏡で太陽を観て以来、400年以上にわたり継続されている黒点の観測から明らかになってきた太陽(磁気)活動を復習しながら、今極大期の今後の推移について考察していただきます。極大期には、黒点が数多く太陽面の赤道付近に出現することはよく知られていますが、これとほぼ同時期に、南北両極域では、太陽磁場の極性が反転する現象が観測されています。この極大期における極域磁場の振る舞いは、黒点に付随する強い磁場の振る舞いと合わせて、太陽のダイナモ機構を理解する上で重要であると考えられており、最新モデル(磁束輸送ダイナモ)では、(依然、精度は不確かですが) 今後や次周期の活動度を推定するのに使われています。
(中嶋編集)