25年ぶりの金環日食
日本スペースガード協会理事長 高橋 典嗣 2012年5月21日の朝、金環日食が日本で見られます。太陽・月・地球が一直線上に並び、 太陽の中に月がすっぽり入り、天空に金の指輪が浮かんでいるかのように見られる天体 現象が金環日食です。 日本で前回金環日食が見られたのは、1987年9月23日のことなので、25年ぶりのことと なります。このとき、沖縄には沢山の人たちが観測のために訪れました。今回金環日食が 見られる地域は、鹿児島から四国、大阪、名古屋、東京の太平洋沿岸の各地で、この地域 に住む人口は約8300万人です。この地域の人々は少し早起きするだけで、移動することな く、自宅で金環日食を見ることができるのです。 次回日本で見られのが、北海道で18年後の2030年6月1日です。しかし、東京という地域 に限定してみると、前回金環日食が見られたのは173年前の1839年9月8日、次回見られる のは300年後の2312年4月8日となります。実に、約500年に一度の大変珍しい天体現象に 私たちは遭遇していることになります。この千載一遇のチャンスが間近に近づきました。 是非この貴重な機会に、最も荘厳な自然現象の一つである、金環日食を観察してみましょ う。 駿台学園で太陽が欠け始めるのは06時19分12.4秒、月が太陽の中に入り金環日食となる のは07時32分09.7秒です。継続時間は5分03.2秒、07時37分12.9秒に金環日食は終了し、 09時02分48.2秒に元の太陽に戻り、日食は終了します。最大食の時の食分は、0.967、 真東(Azi:89.1度)の方角、太陽高度(Alt)は35度です。 以上