右のパワーポイント画像をクリックすると拡大します. ◎自己紹介 勤務地: 岡山県 美星観測所 井原市美星町 2つの望遠鏡 1m + 50cm ゆるキャラは 「でんちゅうくん」 仕事の内容: 地球に接近する小惑星の発見・監視 ロケットの一部,仕事の終わった衛星 (スペースデブリ)の監視
◎恐竜について 恐竜研究の歴史: ロバート・プロット, リチャード・オーウェン 恐竜の時代: 恐竜は2億3000万年前〜6500万年前 恐竜の絶滅: 絶滅は,巨大隕石の衝突. (という説が有力である.) はたして巨大隕石が恐竜絶滅の犯人か? → 大いに「異議」があるので,裁判を開いて ほしい.
◎恐竜絶滅事件の犯人の裁判 被告は巨大隕石 弁護人は 講演者 *検察側の主張:(第1話) → 死亡推定時刻の地層に証拠がある. → アルバレス博士が証拠を見つけた. → 隕石の大きさは,10km 程度と見積もられる. (アルバレス博士) → メキシコの「チクシュルーブ」にちょうどそれくらいの 隕石のクレータが見つかった! → 巨大隕石の大爆発で雲が空を覆い,寒冷化して 「隕石の冬」となり,食べ物がなくなって恐竜が 絶滅した. まとめ:検察側の主張は,右図の通り. *弁護側の主張:(第2話) ほんとうに隕石で絶滅するだろうか? 真犯人は別にいるのでは? たしかに衝突のチリで寒冷化するが・・・・ → 5,6年で寒さは元に戻ってしまう チクシュルーブ以外にも,大きい隕石クレータは いろいろある. 一方,地球の温度はチクシュルーブ以前(7300万年前)から 低下している. → 海水温の低下 (有孔虫の化石から) 恐竜の数は衝突前から減少(200万年前には70%) アンモナイトも減少 まとめ:弁護側の主張は右の通り 「巨大隕石は無実である」 *真犯人は誰か(最終話) 手がかり: 深海底掘削コアのデータ 白亜紀末付近のイリジウム濃度 隕石の時にはたしかに増加しているが, それ以前からも増加していた. 5m の厚さ = 7300〜6500万年前 現在の宇宙物質の27倍のレベルを超える流入 → 大寒冷化 (大量絶滅ともよく一致) 犯人は,800万年の間,地球に塵を供給できるもの, それは? → 銀河系の中にいる! 暗黒星雲!! 星雲遭遇率 10億年で30回 超新星爆発 天の川銀河で100年で1.5回 原生代にはスターバーストを2回経験 ※ スターバーストでは超新星爆発が頻繁に起こる. 恐竜絶滅の真相は,太陽系が800万年かけて暗黒星雲 の中を通過したため. 暗黒星雲はまた,小惑星の軌道を乱して巨大隕石を発生させる. *エピローグ:大量絶滅と,種の大量発生 → 大量絶滅は何度も起こった. そのたびに,生物種の大量発生が起きた. → 特に「カンブリア爆発」と言われる「種」の大量 発生に注目すると・・・ 先カンブリア紀の度重なる氷河期のたびに,種が増えた. マリノアン氷河時代には,1億年に6回の絶滅があった. → そのころ,銀河系にたくさんの星雲,超新星残骸が あったのではないか.
◎まとめ
◎質問: *(星雲であるという)証拠は何か? → イリジウム さらに深いところは調べられないか? → プレートの動きで沈んでしまう. ペルム紀末は,日本にも地層があるが,あまりきれいでない *太陽による星雲物質の排除はないか? → 大量なので排除できない. よけられない. *このような着想のきっかけは何か? → 昔から星雲が遭遇したという研究はあった. どんなことが起こるかという研究はなかった. 証拠が海の底にあると聞いて調べたくなった. 隕石の冬は短かったという話は前からあった. *銀河系の暗黒星雲との遭遇について? → 太陽系は,2.5億年で銀河系内を一周, 3千万年の周期で銀河面を上下している.