右のパワーポイント画像をクリックすると拡大します. 一部の「引用画像」は,解像度を落としてあります.◎はじめに *今日のお話し ・重力波とは? ・どうやってつかまえる? ・つかまった信号とは? ・何がわかったの? ・重力波のこれから ◎重力波とは *重力とは (右図はWikipedia より) ニュートンの「万有引力」のこと 重力があるとどんなことが起こるか? → すり鉢のボールの運動に似ている *重力は、アインシュタインの一般相対論で解明された。 (右図はGoodStory のページ より) *一般相対論と重力 トランポリンの膜の上に重いものを置いた時のように、 重いものがあると周りの時空がゆがむ。 その物体ををゆすると、ゆがみの波ができる。= 重力波 *重力波 ・宇宙の音 「見ている」だけではわからない事が「聞こえる」 ほとんどさえぎられない → 宇宙の新しい観測手段 ・どんな時に出るか 超新星爆発 (右図はWikipedia のページ より) 中性子星 ブラックホール 宇宙の始まりの時の空間のゆがみ → 宇宙背景放射よりもさらに昔のものが見えるはず ・宇宙は何でできているか 物質 4% (右図は理科年表オフィシャルサイト のページ より) ダークマター 22% ダークエネルギー 74% ・重力波が来たらどうなるか 空間がゆがむ (縦横のゆがみ) それをどうやって検知するか → 光を使う。 レーザー光の干渉を使う。 鏡とビームスプリッターで、レーザー光の干渉を測定する。 ・明るさの変化の信号は、音として聞くことができる。 → 測定方法の説明と、重力波信号の音 (ユーチューブ) 重力波信号を捕えた LIGO の装置 (右図はGeekWire のページ より) 捕えた信号の波形の図 (右図は重力波観測の報告論文 より) この信号を解析すると、合体のデータが詳しくわかる。 ・何がわかった? → 右図 (図はForbes のページ より) ・何でわかるの? → 右図 (図は重力波観測の報告論文 より) ・たくさん見えてます (図はLIGO のページ より) 他にもたくさん観測されている。 ・いろんな重さのブラックホール (BH) が (図はWikipedia のページ より) これまでのイベントのBHの大きさ これまでに知られたBHよりも重い どうやってできたか、よくわからない (星の最期のBHは小さい) → 宇宙の最初にできたのではないか (図はLIGO のページ より) → BHのでき方、いろいろな考えがあり、よくわかっていない。 ・ブラックホールだけじゃない (図はLIGO のページ より) 中性子星の合体も観測された。(図の下部は中性子星) ・中性子星の合体 (図はLIGO のページ および 報告論文のページ より) ※ Virgo は受かっていないように見えるが、実際は 感度のないその横方向から来たことがわかる。 ・マルチメッセンジャー天文学の幕開け (図は、報告論文 Ap.J.L. 848, L12 (2017) より) → 重力波 γ線 光 赤外線 など、 いろいろな方法で観測 ・中性子星合体からわかること 宇宙を構成する物質の生成過程 中性子星合体による核融合で重たい金属などができているっぽい。 私たちの地球の重元素はひとつの中性子星合体で作られた!? 原子核物理 中性子星は超高密度の極限状態。 重力波信号から中性子星の直径が推定できる. → 超高密度物質の性質がわかる! ◎重力波のこれから ・これからの観測プラン (図はUIB, IAC3 のページより) ・世界の重力波検出器 (図はLIGO のページより) *日本の KAGRA について (図はKAGRA のページより) トンネルの長さ、3km、2本 ・特徴 地下にあること → 地面の振動からの雑音を下げる 低温に冷やすこと → 熱雑音を下げる ・KAGRAが(世界の観測体制に)入ると何がいい? *世界の装置の今後のアップグレード計画 ・現在の施設の中で新しい技術を導入予定 (図はaLIGO のページより) 鏡の特性向上 レーザー光の特性向上、etc. ・新しい望遠鏡計画 (図はCosmic Explorer のページ および Albert Einstein Institute Hannover のページより) ・宇宙空間重力波観測装置の計画 (図はLISA計画のページ および DECIGO計画のページ より) もっと低周波の重力波を観測 (宇宙の始まりのころの重力波) DECIGO計画は、予備実験、SWIMμν衛星の打ち上げが行われた。 LISA計画も同様。(LISA パスファインダー) (図はGadgets360 のページより) 大変良い結果が出ている。 おわり
*質問 水平に光が進んでいるか? > 光は曲がらない、トンネルは地球の丸みで曲がる 40kmでは問題になる 40kmが地上の限界 いろいろな影響でダウンしたとき復帰できるか? > 地面の絶え間ない振動(脈動)の影響は同じ カグラでは風の影響がない 低周波のノイズ? > 脈動は低周波で、防振が難しい 振り子の共振周波数 0.5ヘルツまでしかできない 熱雑音も低周波で大きくなる 宇宙の反射鏡は光の圧力で動いてしまわないか? > レーザー光の力も雑音なのでこれを防ぐ 重力波天文学の目指すもの? > 宇宙の動く仕組みを理解 BHのでき方 宇宙の始まり 思いもよらない出来事