2021年6月19日 第663回 月例天文講座
星の質量と生命誕生の秘密
---私たちはどこから来たのか?
元東京大学理学部准教授 田中 培生 先生
上図は、銀河中心(5分角)の近赤外3色合成写真
(東京大学アタカマ天文台miniTAO1m望遠鏡/赤外線カメラANIR)
(図をクリックすると拡大します.)
恒星の生まれた時の質量は、太陽の1/10から100倍まで、3桁にもわたっている。
さらに、恒星の一生は質量に強く依存し、そのことが、宇宙における生命の起源および進化を決定づけている。
太陽を含む中小質量星の一生については、近年の研究で基本的には理解できるようになったが、
大質量星の進化については未だ謎が多い。
私は、大質量星の、特に終末期の観測的研究を赤外線を用いて行ってきた。
個性豊かなそれらの進化の様子の一端を紹介すると共に、恒星の質量による進化や寿命などの違い、
および初期質量分布が、我々地球上の(さらには銀河系の)生命体の起源・進化とどのように密接に関係しているのかを簡潔に話したい。
[参考] (中嶋記)
*
東京大学理学部ニュース,田中先生紹介記事
*田中先生,講演記録(アメブロ)