橘省吾先生は、東京大学大学院の地球惑星科学専攻の教授として、物質科学の立場から
地球・惑星・太陽系の研究に携わっておられます。この意味で「はやぶさ2」はまさに先生の
研究の中心であり、プロジェクトが立ち上がる前からサンプル採取機構(サンプラー)開発の
理学の責任者として関わり、地球に帰還したカプセルの回収のために豪州にも出かけ、また
サンプルが入ったコンテナの開封作業にも携わりました。
「はやぶさ2」のサンプルの解析は現在まさに進行中であり、これに関してどのようなお話が
聴けるかは当日まで予断を許さない状況かと思います。
他方、近年は「アルマ」などの電波観測からも宇宙の分子化学の研究が行われるようになり、
「アストロケミストリー」という研究分野が立ち上がりつつあります。橘先生は天文月報2022年
6月号に標記のようなタイトルで解説記事を書いておられますが、記事の最後で、サンプル分析や
電波観測を総合した研究への期待を述べておられます。これについてもその見通しをお伺いしたいと思います。
橘先生ホームページ
橘先生、天文月報記事
(中嶋記)