2023年12月16日 第693回 月例天文講座  

ALMA の最近の成果

国立天文台アルマプロジェクト 教授 
             深川 美里


        (右図はクリックで拡大します)



 太陽以外の星の周りを回る惑星はこれまでに5500個以上発見されており、これら系外惑星は太陽系の惑星とは異なる様々な性質を持つことが明らかになっています。惑星がなぜ多様で、太陽系がなぜ現在の形になったのかという疑問に答えるためには、惑星系が誕生するプロセスを理解する必要があります。

 ALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)は、宇宙における惑星系形成の驚くべき複雑さと多様性を浮き彫りにし、これまでにない知見をもたらしています。若い星の周りで起こる惑星系形成の現場(原始惑星系円盤)の姿を詳細に描き出し、長年用いられてきた理論的なシナリオを塗り替える結果を次々にもたらしています。また、生まれたての惑星そのものを取り囲む円盤の検出や、円盤内の有機分子の検出など、惑星の初期環境に関する手がかりも得られつつあります。

 ALMAは次の10年へ向けて、観測性能を大幅に強化する取り組みを開始しています。これは原始惑星系円盤における多種の有機分子の検出も容易にすると期待されます。今後も、幅広い年齢や環境の原始惑星系円盤に対する観測が進み、様々な物質の分布が明らかになっていくでしょう。本講演では、ALMAの観測を通じて得られる知見が、未知の惑星系形成メカニズムの解明にどのように近づきつつあるかを紹介します。




参考資料 (中嶋記)
*右上図は アルマ望遠鏡のページ より、中嶋選定。(クリックで拡大します。)

総合研究大学院大学 深川先生紹介ページ

*アルマに関連した、国立天文台の研究発表:
  2023年 11/15  11/03  10/06  9/15  9/07  8/04  7/14
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