2025年11月15日 第716回 月例天文講座
流星群の予報研究
国立天文台 天文情報センター 佐藤 幹哉
講演要旨:
(11月8日 改定)
1970年代の「ジャコビニ流星群騒動」以来、流星群、とくに流星雨の出現予報は全くもってできないものだ、と考えられていた時代が長く続きました。流星の元となる粒(チリ)は大変小さく、その分布自体を観測することが困難だったからです。しかしながら、1998年から2002年頃に出現した「しし座流星群」では、イギリスのアッシャー氏が提示した「ダスト・トレイルモデル」を使ったシミュレーションによって、流星雨の予報が的確に示され、また予報に沿った出現結果が得られました。流星群の予報が可能である(可能な場合がある)時代がついにやってきたのです。このダスト・トレイルモデルの手法は、しし座流星群以外の流星群予報にもさらに 適用され、流星群の予報研究は急速に進化していきました。
本講演では、流星や流星群の基本的な概念をふまえつつ、演者の研究テーマである流星群の予報研究について詳しく解説します。また、これまでの流星群の予報研究の具体例や、また過去の流星群の検証研究について詳細に示し、さらに今後期待される流星群の予報についても解説します。
参考資料 (中嶋記)
*タイトルの右の図は
Wikipedia のページ より。