駿台ジュニア天文教室、2018年12月15日 (2018年12月2日作成)
◎前回の復習
*前回のおはなし
「流星群{りゅうせいぐん}」のはなし.
「彗星{すいせい}」とはなにか.
「星雲・星団.銀河」と「メシエカタログ」
※ メシエカタログについては,別の日にくわしく説明します.
*質問: オールトの雲の大きさは1.5光年か?
こたえ: だいたいそれくらい(あまり正確ではない).
◎太陽黒点{こくてん},爆発現象{ばくはつげんしょう}
→ 黒点も爆発もあいかわらず少ないので,今回は省略.
◎12月のほしぞら
→ 小さいけれど「彗星」が見える.(ステラナビゲータ)
ウィルタネン彗星.
見るには「双眼鏡{そうがんきょう}」が必要.
(東京では難しいかもしれない)
※ 13日夜の写真
◎「暦{こよみ}」のおはなし
*「こよみ」ってなあに?
→ カレンダーのこと.= 「今日は何月何日?」がわかる.
= 農作業をするために季節がわかる. http://www.fjsan.net/fjyukigata1.htm
*なんにもない時,「こよみ」をどうやって作るか?
= 「季節」をどうやって知るか?
(1) 自然の観察{かんさつ}
→ 桜が咲いた(春),梅雨{つゆ}明けの雷(夏),
つばめが来た(初夏), こがらし一番(冬),
山の雪がとけた = 雪形{ゆきがた}(春,種まきのころ)
→ 雪形1, 雪形2 (何に見えるかな?)
(2) 日の出の方向の観察
→ 太陽が真東{まひがし} から上がれば春分{しゅんぶん},または 秋分{しゅうぶん}
→ 地上にしるしを作って,日の出を観測する.→ ストーンヘンジ
→ ストーンヘンジによる日の出の観測
(3) 日中の太陽の高さの観察
→ ひるまの太陽が高く上がれば夏,低ければ冬
→ いちばん高くなる日は夏至{げし},いちばん低くなる日は冬至{とうじ}
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4f/Gnomon_%C3%A0_pointe_conique.jpg
→ 棒を立てて,影の長さをはかる.
(棒を「ノーモン」という)
→ 太陽が真南{まみなみ} に来た時に,太陽の高さ(影の長さ)
をはかる.→ 太陽の「南中高度」(中学理科3年)
→ 学習ノート参照
→ 春分,秋分,夏至,冬至 のどれが一つがわかれば,
カレンダーができる.
→ 冬至から冬至までの日数を数えて,1年の長さが何日か,
わかる = 365日(と少し).
→ 1つの季節は 91日(と少し)
= 冬至の 45日前から 45日後までが「冬」,次の91日が「春」
(45日前を立冬{りっとう},45日後を節分{せつぶん},節分の翌日を立春{りっしゅん}とよぶ.)
→ 国立天文台カレンダー
*(1年は12か月として)「なん月なん日」はどうやって決めるか?
(1) 365 ÷ 12 = 30 と少し → 30日と31日に区切って月を決める.(太陽暦{たいようれき})
→ この方法では,「何月何日は冬至」というのがいつも同じになる.
しかし,カレンダーの表がないと今日の日にちがわからない.
(2) 実際の「月 」の満ち欠けで月を決める.(太陰暦{たいいんれき})
→ 「月」が見えれば大体の日にちがわかる. (→ ステラナビゲータにて)
しかし,冬至や夏至などの季節はわからない.
※ 太陰暦に,立春や夏至,冬至などの季節を加えて調整したものを
「太陰太陽暦{たいいんたいようれき}」という.
(3) これとは別に,冬至からの日にちの数をきちんと数えておく必要がある.
→ 中国では,紀元前の時代から「十干」と「十二支」を組み合わせて日にち
を数える方法が使われていた. →
◎「冬至」を決める実験 = 真南の太陽の高さを調べる.
*厚紙で「ノーモン」を作ってみよう.
*まず真南を決めるために,1日の太陽のかげの動きを調べる.
→ 小さいノーモンの,先端{せんたん}のかげの位置を記録する.
→ 電灯で実験 → 図 → 結果の図
→ 記録した点をなめらかな線で結んで,ノーモンの中心に
いちばん近い点をみつける.
→ その方向が真北で,反対が真南. → 図
*次に,冬至の前後数日間の,真南の太陽のかげの位置を記録する.
→ 正確にするために大きいノーモンを使う. → 図
丸い穴のかげの方が,正確に記録できる. → 図
目盛りの書き方
*冬至の日時をみつける.
→ 真南の時と同様にして,グラフを作り, → 図
なめらかな線で結んでみつける. → 図
*来年も同じようにして,1年の長さを決める.
(たいへんな作業!!)
※ シルクロード天文台のビデオ
※ 出席シール台紙と,シールについて.
今月のシールは「地球」!