駿台ジュニア天文教室、2019年3月16日 (2019年3月15日作成)
◎前回の復習
*前回のおはなしは「太陽活動とオーロラ」(復習は省略)
※ 高圧放電装置を使って小さなオーロラを作る実験をしました.また,静電気で
放電管(ネオン管)を光らせる実験をしました.
◎太陽黒点{こくてん},爆発現象{ばくはつげんしょう}
*可視光太陽黒点
◎「宇宙空間{うちゅうくうかん}」,「宇宙開発{うちゅうかいはつ}」について.
※ 「宇宙」ということばには,2とおりの意味があります:
(1) 地球大気の外側の,地球をとりまく空間 → 宇宙空間
(2) 地球から遠く離れた,星や星雲の世界 → (大)宇宙
※ 「宇宙開発」とは,ロケットや人工衛星{じんこうえいせい}を使って宇宙空間で活躍すること.
→ 衛星放送,気象衛星,宇宙ステーション(右下図,クリックで拡大)
(ほかになにか知ってるかな?)
※ 「宇宙空間」,「宇宙開発」は,小中高とも
理科の教科書には出てこない.
引用元
*宇宙空間のようす
宇宙空間の高さ (引用元,一部追加)
・富士山は 3km,飛行機は 10km,気球は 50km,・・・
・流れ星は 100km,オーロラは 200~400km,・・・
・宇宙ステーションは 400km,いろいろな人工衛星はそれ以上.
・気象衛星,放送衛星は 3万6千km.
・400kmでの空気の密度は,地上の1兆分の1.
*飛行機とロケット
・飛行機はどうして人工衛星の高さまで行けないか?
→ 翼{つばさ}が空気にのって飛ぶので,空気のうすいところでは飛べない.
→ 燃料を燃やすのに酸素を使うので,空気が必要.
・ロケットはどうして,空気のない高いところへ行けるか?
→ 翼は利用しない.
→ 燃料といっしょに酸素も持って行く.
*ロケットの種類
・固体燃料{こたいねんりょう}ロケット
→ (火薬のように)燃える物質と酸素を発生する物質がいっしょになっている.
→ 構造が簡単.
→ いったん点火したら,コントロールがきかない.
→ (火薬と同じなので)取り扱いに注意しないと危険.
→ 噴射{ふんしゃ}する物質がなくなれば,エネルギーが残って
いても加速できない.
引用,夢・化学21より
・液体燃料{えきたいねんりょう}ロケット
→ 燃料(液体水素)と酸素(液体酸素)をべつべつに貯蔵し,
噴射するときに混ぜる.
→ 液体の流れをコントロールして,ロケットの速度や方向を
制御{せいぎょ}できる.
→ 液体水素や酸素は超低温なので,発射直前に充填{じゅうてん}しなければならない.
発射が延期になれば,取り出して保存.
→ 燃料系統{けいとう}の構造が複雑.
→ 噴射する物質がなくなれば,エネルギーが残っていても加速できない.
・イオンエンジンロケット
→ 火薬や燃料を使わず,電気の力で物質(イオン)を噴射する.
→ 電気は「太陽電池」で供給できる.噴射する物質は少なくてよい.
→ 地上からの打ち上げには使えない.空気のない宇宙空間で使う. 引用,Cosmo Library
→ 噴射する物質を節約し,長時間加速できる.
→ 「はやぶさ」で使っている!!
*日本のロケット
引用,日経BP
JAXAのページより
・気象衛星,放送衛星などの実用衛星を打ち上げるのは,
大型の液体燃料ロケット,
・まわりに取り付ける「ブースター」は固体燃料.
・科学観測衛星を打ち上げるのは,中型の固体燃料ロケット.
H II-B ロケットの打ち上げ (ユーチューブより)
引用元,sorae
◎実験
→ スポイトと圧縮空気{あっしゅくくうき}で,ロケットを打ち上げてみよう! (KU-MA 製作)
※ KU-MA(子ども・宇宙・未来の会,ホームページ)
*工作
・ランチャー(発射台{はっしゃだい})に,チューブをねじ止めする.
・チューブのはしに注射器{ちゅうしゃき}をつける.
・スポイトロケットに自分のもようをつける.(マーカーやテープで)
・スポイトをパイプに差し込む{さしこむ}
*発射
・注射器をいきおいよく押す.
・スポイトの先を,チューブのはしに差し込んで,もう一度やってみる.
*観察
・なぜ,スポイトの先をチューブに差し込んだほうがよいのか?
・スポイトをチューブに差し込まないときと差し込んだときとで,
注射器のピストンを押す感じはどのようにちがうか?
・スポイトに水を(どれくらい)入れたらどうなるか?
※ 出席シール台紙と,シールについて.
今月のシールは「土星」