駿台学園、ジュニア天文教室、2019年6月15日
*復習(前回のお話)
・ブラックホールのおはなし(前回のページ)
・一円玉を用いた引力の実験
*太陽黒点など
・SDO衛星黒点画像
→ 今月は黒点がまったくない。
*星空や星座のおはなし
・木星と土星のおはなし。 (ステラナビゲータ使用)
→ 今、夕方に木星がよく見える。今夜は月もよく見える。
土星も、だんだん見えてくる。
*コンピュータシミュレーションのおはなし
・(今日のおとなの話)スーパーコンピューター
「アテルイII」で迫る宇宙の謎
「スーパーコンピュータ」とは、ものすごい高性能
のコンピュータ。
「シミュレーション」とは、コンピュータで模擬実験を
して、目に見える画像を作ること。
「模擬実験」の例としては、天気予報のために気温や気圧の変動を調べるのがいちばん有名。
(→ 天気予報映像)
「天文学での模擬実験」としては、星を爆発させる実験、ブラックホールを合体させる実験、
惑星同士を衝突させる実験、など、いろいろなものがある。
アテルイIIは、国立天文台のスーパーコンピュータで、最近改良された。
・シミュレーションの例:
1) ブラックホール合体と「重力波」のシミュレーション
LIGO Lab Caltech:MIT
→ 2015年「重力波」が初めて観測され、2017年にはノーベル賞が与えられた。
→ 「重力波」は、先月やった「時空のゆがみ」の波。
→ この重力波は「13億光年彼方で、太陽の重さの36倍と29倍の重さのブラックホール
が合体して放射された」ということがわかっているが、それはシミュレーションで
確認された。
(→ ブラックホール合体シミュレーション映像)
2) M87のブラックホール映像
NAO CFCA M87
→ 人類が初めてブラックホール(の影)を撮影した。(本年4月の記者会見)
→ 「見えた影はブラックホールにまちがいない」というのも、シミュレーションで
確認された。ブラックホールの重さが太陽の65億倍というのもわかった。
3) 銀河の衝突合体のシミュレーション(アンドロメダ銀河)
アンドロメダ銀河とわれわれの銀河の衝突
→ 先々月にお話しした、星雲・星団・銀河のリスト
「メシエカタログ」に、「銀河」という天体がある。
→ 銀河でいちばん有名なものは「アンドロメダ銀河」
(メシエカタログの M31)
→ 銀河といえば(「銀河鉄道」のように)「天の川」
のことだけど、この天の川も200万光年も離れて
みれば M31のように見える。
→ M31は、われわれの天の川銀河に近づきつつあり、
数十億年後には衝突合体する。
(→ 衝突合体)
4) 銀河衝突のシミュレーションと実際の天体映像
シミュレーション映像と、実際の衝突銀河の画像
→ 銀河の衝突・合体は、宇宙のあちこちに見られる。
5) 星の爆発
爆発のシミュレーション
→ 本日の大人の講座でお話しする人の作った画像(説明省略)
6) 惑星の衝突と、月の形成
ジャイアントインパクト
→ 「月」は、むかし他の惑星が地球に衝突してその破片からできたと
考えられる。(説明省略)
*[実験工作] コンピュータの原理
→ ブレッドボードを使って、電子回路の実験を。
・「ブレッドボード」とは。
→ 電子回路の実験に使う。簡単に実験できる。
→ 部品を差し込み、「ジャンパワイヤ」で配線する。
・今回使用のブレッドボードと配線図
・スイッチで、発光ダイオード (LED) を点灯させる回路をつくろう。
[配線図 学習シートを見てください]
・2つのスイッチで、「OR回路」を作る。
[配線図 学習シートを見てください]
→ 0 + 0 = 0, 0 + 1 = 1, 1 + 0 = 1 の計算ができる。
・2つのスイッチで、「AND回路」を作る。
[配線図 学習シートを見てください]
→ 1 + 1 = 2 の計算ができる。
※両方の計算ができる回路を作るには、「リレー」という部品が必要。
[写真と実演]