駿台学園、ジュニア天文教室、2019年7月20日
*復習(前回のお話)
・シミュレーションのおはなし(前回のページ)
・ブレッドボードを使った AND 回路,OR 回路
※[宿題の解答]
*太陽黒点など (太阳黑子)
・SDO衛星黒点画像
→ 今月は黒点がまったく見られない.
*星空や星座のおはなし
・「ほんとうのたなばた」のおはなし (传统的七夕)
→ 七月七日は「たなばた(七夕)」.
たなばたには「おりひめ(織姫,织女)」と「ひこぼし
(牽牛,牛仔)」が,年に一度のデートをする.
しかし,雨がふると天の川(银河)が渡れなくて,
デートができない.
→ どうして雨の多い梅雨時の七月七日がたなばたなの
だろう?
→ 現代の七月七日の「たなばた」は,ほんとうのたなばたではない.
「たなばた」は昔のお祭りなので,昔のカレンダー(旧暦,旧日历)を使う.
旧暦は今のカレンダー(新暦,新日历)より,約1か月遅い.
→ 今年のほんとうのたなばたは 8月7日.
*「地球の自転と公転」のおはなし (地球自转,公转)
→ 学習シート を見よう
(太陽のうごきと日周運動は,小学校3年の理科)
(北極星を中心とした星のうごきは,小学校4年の理科)
(地球の自転,公転,地軸のかたむきは,中学3年の理科)
→ 「朝、昼、夕、夜」の「いちにち(有一天)」があるのはなぜ?
→ それは私たちの住んでいる「地球」が「自転」しているから。(知っていたかな?)
→ ついでに、「春、夏、秋、冬」の「きせつ(季节)」があるのはなぜ?
→ それは地球が「公転」しているから。 (地球公转)
→ 「公転」てなに? 知ってる?
→ 公転だけでは季節にならない。 → 毎日々々「春」ばかり。
→ 地球が「かたむいて公転」しているから季節がある。(→ 地球儀を見よう)
(どれくらいかたむいているか知ってる?)
・地球の自転は、宇宙の中でどんなふうになっているかな?
→ 学習シートの「さいさ運動(歳差運動,進動)」を見よう.
(歳差は,高校地学)
→ 正確に24時間で1回転。
→ 「回転軸」は、北極星の方向を向いている。
だけど・・・・
→ 太陽を見ていると「24時間」で1回転するが、
「一つの星」を見ていると、「23時間54分」で1回転する!
※ 24時間を「1太陽日」、23時間54分を「1恒星日」という。
→ 北極星を見ていると、毎年少しづつ場所が変わって行く(ステラナビゲータで実験)。
5000年くらい前のピラミッドの時代には、「りゅう座のアルファ星」が北極星だった!
※ 地球の自転軸が少しづつ変わって行くのを「歳差{さいさ}」という。
・なんで「歳差」があるのかな?
→ かたむいて回転しているものは、かならず「歳差運動」がある。
地球もかたむいている!
→ 「地球ゴマ」を使った「歳差」の実験。
→ ステラナビゲータを使った「歳差」のシミュレーション。
(約2万6千年で元に戻る)
*「地球自転変動」のおはなし
→ くわしく調べると、正確なように見える地球自転も、わずかな変動がある。
→ これを「地球自転変動」という。
→ 自転変動には「自転速度変動」と「極運動」の二種類がある。
※ 自転速度変動は「1日の長さの変動」ともいう。
・「自転速度変動」
学習シートの図 (每天長度變化)
→ 1000分の1秒程度でつねに変化する。
→ このところ自転速度は遅れぎみで,1日の長さが1000分の1~3秒ほど長い.
→ 結果として,この40年に,自転の時計は約20秒遅れた.
→ うるう秒のおはなし
→ いちばん正確な時計はなんだか、知っている?
→ 「原子時計」(1年で1億分の1秒) (原子鐘)
→ それに比べると、地球は1年で0.2~0.5秒くらい変化する。
→ どちらをまいにち使う時計にしたらよいか?
→ 原子時計を使うと、太陽のみえかたに関係のない時間になってしまい、
そのうちにお昼になっても太陽が出てこない、ということになる。
→ 原子時計を、地球の自転にあわせて調整しながら使うのがいちばんよい。
→ これを「協定世界時」という。 (协调世界时)
→ 協定世界時は、地球の自転と原子時計が1秒ずれたら1秒調整する。
→ この調整を「うるう秒」という。 (闰秒)
※ うるう秒の調整の仕方: 1月1日か7月1日に行う。最近では2017年1月1日にあった。
→ ユーチューブ
・「極運動」(地図の上で、自転の回転軸の位置が移動する) (極移)
極運動(日本天文学会、天文学辞典)
→ 地球自転の回転軸は、宇宙の中では(歳差運動を除き)つねに一定方向を向いている。
地球の地図の「北極点」は、回転軸から10m くらいずれてふらふらしている。
→ 「逆立ちゴマ」を使った実験 ユーチューブ
→ コマの軸は、最初は回転軸と合っているが、だんだんずれて来て(極運動と同じ)
最後は反対方向までずれてしまう。
→ 反対側はふつうのコマのようにとがった形になっているので、こんどは歳差運動を
するようになり、極運動はおこらない。
*国立天文台、水沢観測所のおはなし(今日のおとなの講座のはなし)
→ 以前は「水沢緯度観測所{いどかんそくしょ}」とよばれ、北極の移動を
専門に観測していた。
緯度観測所の図
→ 観測は、1898年~1985年まで行われ、世界的に大きな成果を上げた。
→ 木村栄博士の「Z項{ぜっとこう}の発見」(高校日本史の教科書にも出てくる)
・「Z項」とはなにか?
「Z項」= 極運動の中にある不思議な変動
1972年、水沢緯度観測所の 若生康二郎博士 がそのナゾの答えを見つけた
→ Z項は「地球内部の流体核によって起こされる」
※ 地球の内部には、高温のため、岩がとけてマグマになっているところがある。
→学習シートの「なま玉子,ゆで玉子」」を見よう.(生鸡蛋,煮鸡蛋)
(地球内部構造は,地震の研究からわかる)
(地震については,中学1年の理科)
緯度観測所とZ項
地球内部の図
→ 内部がドロドロになっていると、自転がおかしくなる。
→ 生たまごとゆでたまごで実験