駿台学園,ジュニア天文教室,2021年12月18日  (12月15日更新)



※ホームページの見方について    http://sundai.sakura.ne.jp

◎前回の復習 (前回のページ) *太陽面の爆発(フレア)の観察 (SDO衛星の画像より) *11月19日の月食のおはなし *火星とはどのような星か、火星探検 *砂鉄を使って磁力線を見る実験
◎今月の太陽黒点 *SDO衛星の画像の観察:   → 11月末~12月の黒点   → 同じ時期の紫外線画像        → 前半はあまり活発ではなかったが、最近大きい黒点群が出てきて、活発。      → ここ数日の活動
◎今月の星ぞら *今月のテーマは「金星」   → 金星は、今月にたいへん細長くなり、月末には     夕空から見えなくなる。   → 1月には、明け方の東のそらに見える     「明けの明星{みょうじょう}になる。   → ステラナビゲータで観察。 *「ふたご座流星群」は見ましたか?
◎今月のおはなし 「電波で星を見る」  *「電波」について:  ・「電波」と理科    → 小学校、中学校の理科では、「電波」は出てこない!      (それでも、みんなよく知っているし、よく使っている。)  ・「電波」と生活    → ラジオ、テレビ、携帯電話 (ほかにどんなものを知っているかな?)  ・「電波」の性質 (光とくらべて)    → 雲や霧の中でも通り抜ける。    → ものかげにもまわり込んでくる。    → 木製のかべや、カーテンなどは通り抜ける。  ・「電波」の技術    → 電気が流れると電波が発生する。    → 電波が来ると、電線に電気が流れる。    → 電波を出したり受けたりする電線を「アンテナ」という。   ※ あとで実験します。  ・「電波」の種類    → 普通のラジオの電波: 長い電線で受信する。    → FM ラジオの電波:  1m くらいの長さの電線や、金属の棒で受信する。    → 地上波テレビの電波: 20cm くらいの金属の棒で受信する。(たくさん並べて使う)    → 衛星テレビの電波:  「パラボラアンテナ」を使う。    → 携帯電話の電波:   携帯電話全体がアンテナとなって電波を受ける。  ・「電波」で天体を観測する:    → 「星雲」の中を見ることができる。    → 昼間でも観測できる。    → 「特殊な電波」を出す物質があり、その存在がわかる。(水素原子や分子など)    → 天体の中の「電気」の現象がわかる。      → 特に「磁力線」に関係した電気の現象がよくわかる。    → たいへん弱いので、大きな装置(アンテナ)が必要。(光も望遠鏡が必要)    → 人間の発する電波が、観測のさまたげになる。(光も同じ) *目で見た宇宙と電波で見た宇宙のちがい  ・「太陽」を見る:       光で見た太陽と電波で見た太陽                      右図の出典    → 黒点のあるところが明るく見える。       ← 黒点には「磁力線」があり、         それが強い電波を出す。  ・「星雲」を見る:          オリオン大星雲の画像    ※「オリオン大星雲」とは?        → ステラナビゲータで説明。                      右図の出典    → 星雲の内部に何か見える。      → 見えているものは、特殊な電波を出す物質        「分子」の雲。      → 分子の雲の中では、星が誕生している!  ・「天の川」(「銀河鉄道」の銀河)を見る:      光で見た天の川          駿台北軽井沢天文台の天の川          くわしい画像                                                 出典          天の川全体の合成画像                  電波で見た天の川 合成画像               光と電波の画像を拡大比較                   以上の3つの図の出典    → 光では「暗黒星雲」にじゃまされて、遠くが見えない。電波では遠くまでよく見える!       → いて座の方向に、電波のいちばん強いところがある。         → これが天の川の中心で、天の川は(上から見ると)こんな           形をしていることが電波でわかる!                   出典        ※ これを「うずまき銀河」という。       宇宙には、同じような天体がたくさんある。これらを、あらためて「銀河」と呼ぶ。                            出典     ※ 春の星座、おとめ座には、このような銀河がたくさん集まった「銀河団」がある。                   出典  ・そら全体を見る:     そら全体の電波地図                  出典    → (天の川以外に)はくちょう座、カシオペア座、おうし座、ケンタウルス座、オリオン座、      ほ座、おとめ座、などに電波の強いところ(電波源)がある。  ・オリオン座の電波源 = オリオン大星雲(前出)  ・カシオペア座、おうし座、ほ座、の電波源 = 超新星爆発残骸{ちょうしんせいばくはつざんがい}     これらを光で写した画像:      おうし座カニ星雲      カシオペア座          ほ座             出典            出典            出典     → 爆発の残骸の中では、強力な磁力線が発生して電波を出す。  ・おとめ座、ケンタウルス座、はくちょう座、など = ずっと遠方の特殊な「銀河」    → われわれの「天の川銀河」も中心から強い電波を出しているが、これらの銀河は      けたちがいに強い電波を中心から出している。→「活動銀河」      目に見える光で撮影した、これらの銀河(平凡な銀河に見える)        おとめ座の銀河      ケンタウルス座の銀河    はくちょう座の銀河                 出典             出典     (出典は CDS Symbad サービス)      → 特殊な電波望遠鏡で、これらを見ると:      おとめ座の銀河(M87)    ケンタウルス座の銀河   はくちょう座の銀河              出典            出典           出典       M87 の拡大図           特殊な電波望遠鏡で観測した、M87 中心部             出典    → 超巨大なブラックホールに星が吸い込まれて行くときに、強力な「ジェット」が噴出する。      → ジェットにはやはり強力な磁力線があり、これが電波を出す。  ・さらに強力な電波銀河「クエーサー」        光で見たクエーサーの写真           電波で見たクエーサー               出典                     出典    → どのように見ても1個の星のようにしか見えないが、たいへん遠方にあり、また超強力な      電波や光を出している。       → 普通の星の1000万倍も遠方にあり、100兆倍も強力な光や電波を出している!    → やはりジェットが見えるので、「活動銀河」の一種であると考えられる。       → ジェットの方向がまっすぐこちらに向いているので、強力に見えるのではないか。   ※ 他にも「パルサー」などのいろいろな発見があったが、今日は省略。   ※ 最近の新しい「アルマ電波望遠鏡」でもいろいろな観測があったが、今日は省略。
◎電波の実験