駿台学園,ジュニア天文教室,2023年1月21日

タイトル: 世界の国ぐにの時間の違い(時差)
講 演 者:  中嶋浩一

※ホームページの見方について 
  http://sundai.sakura.ne.jp
◎前回の復習 (前回のページ)     *冬の星座のいろいろな星   ベテルギウスの爆発など *AI(人工知能)について *天文学への AI の応用   いろいろな銀河の中から、変な形の銀河を見つける。 *前回の補足  ・銀河の衝突・合体のシミュレーション画像   → 変な形の銀河は、衝突合体によってできる。  ・オリオン大星雲の中の、生まれたての星「トラペチウム」 (右上図) *前回配った国立天文台のカレンダーの説明ページ
◎今月の太陽黒点 *SDO衛星の画像の観察:     
   12後半~1月前半の黒点    12月後半~1月前半の爆発状況    1月初めの映像     → 1月6日にやや大きな爆発が起こった。
◎今月の星空  *ギリシャ神話と星座  「古代エチオピア王家の神話の星座」  → 秋の星座、ペガスス座、アンドロメダ座、ペルセウス座、くじら座、    北天の星座、カシオペア座、ケフェウス座  ・秋の星座であるが、冬の夜空でもよく見える。    → 全天星図1、 全天2(星座の線)全天3(星座の名前)全天4(星座の図)      パルディーの星座絵より、 秋の星座絵、 北天の星座絵  ・『新版 まんがで読む星のギリシア神話』より、「ペルセウスの冒険」 *これらの星座の中にある不思議な天体「変光星」、「赤色超巨星」  → ペルセウス座の「アルゴル」と、くじら座の「ミラ」 →     → アルゴルは、2日と21時間で規則的に光が弱くなり、      ミラは、約331日周期で 2等星から10等星 まで明るさが変化する。  → 科学博物館の説明図    → ミラは「脈動変光星」、アルゴルは「食変光星」という。      他に、ケフェウス座のδ星も典型的な脈動変光星。  → ミラは「赤色超巨星」でもある。大きさは太陽の500倍。    → 他に、ケフェウス座のμ星 は太陽の1400倍(ベテルギウスは約1000倍)。    ※ 天文学者ハーシェルが、「ガーネットスター」と呼んだ。
◎世界の国ぐにの時間の違い(時差) *「時間」はどうやって決めるか?(「時計」がない時代はどうやって決めたか?)  → 時間は、「昼」、「夜」、および「太陽の動き」で決まる。    → (棒の影を使った)「日時計」で決める。  → 冬と夏で、昼間の長さが違うが、時刻はどうやって決めるか?    → (時計があれば)昼夜に関係なく(1時間ごとに)時刻を決める。 = 定時法      → 日の出や日没の時刻が、季節によって変わる。    → (時計がないときは)昼間の時間を等分して時刻を決める。 = 不定時法       日の出を朝6時、日没を夕方6時として、その間を12等分して時刻を決める。      → 昼と夜で1時間の長さが違う!!                江戸時代の日本では「不定時法」を使っていた!            *日時計の実験・工作    → 紙の上に棒を立てて、日時計を作ってみよう。     ※ 棒の影を使って太陽の動きを調べる実験は、      小学校3年の理科     日時計を作る図   出来上がり写真                   → 棒の頭の影の位置は、季節によって変わるので、     右図のような「いと」を張って、「いと」の影を見ればよい。                 (図の出典) *日時計と「時差」   → 日時計の時刻は、その土地の時刻であり、場所が変われば時刻も変わる。     → 東京と大阪では、約17分違う。   → 日本では、兵庫県明石市の日時計の時刻を、共通の日本標準時とする。   → 世界では、イギリスのグリニッチ天文台の日時計を、共通の世界標準時とする。   → 実際には、各国ごとに標準時を決めるので、国によって時間の違い時差ができる。     → 日本とヨーロッパの時差は8時間、日本とニューヨークの時差は14時間。       日本と世界標準時の時差は9時間。       → 世界の時差の図   ※ イギリスのグリニッチ天文台の日時計を世界の標準時とすることは、1884年の     国際会議で決まった。