駿台学園ジュニア天文教室,2023年10月21日

タイトル: はやぶさ2とリュウグウ 
講 演 者:  中嶋浩一

※ホームページの見方について 
  http://sundai.sakura.ne.jp


◎前回の復習 *月面のいろいろな模様、地形について *月面の「海」の模様と、2つの大きなクレータの図の制作
◎今月の太陽黒点       → 9月15,16日に中程度の爆発があった。     9/14~9/16の紫外線画像   10/01~10/16の可視光画像黒点    10/01~10/16の紫外線画像 
◎今月の星空    *木星がよく見える   (11月3日に「衝」 → ステラナビゲータで) ※10月29日に「月食」あるが、明け方なので見にくい。
◎今月のお話し はやぶさ2とリュウグウ小惑星のサンプルリターン       2010年6月、日本の「はやぶさ1号機」が、小惑星「イトカワ」の     サンプルを持って地球に帰還。   2020年12月、「はやぶさ2号機」が、小惑星「リュウグウ」の     サンプルを持って地球に帰還。   2023年9月、アメリカの探査機「オシリス・レックス」が、「ベンヌ」     のサンプルを持って地球に帰還。  ・「サンプルリターン」とは何か?サンプルリターンから何がわかるか?    → 小惑星の表面物質を持ち帰ること。    → 小惑星がどのような物質でできているかがわかる。      → 小惑星は太陽系が誕生した頃の物質をそのまま保持していると考え        られるので、太陽系のなりたちについていろいろなことがわかる。  ・「リュウグウ」のサンプルリターンから何がわかったか?    → 今日の5時からのお話でそれについて聴くので、その結果は来月の      ジュニア天文教室でくわしくお話します。    → 今日のお話は太陽系について、その構造となりたちをの説明です。    → 「はやぶさ2」については、工作のときにお話します。
*「太陽系」について       ・太陽系はどんな形をしているか?    太陽、惑星、準惑星、小惑星、彗星、隕石物質、    海王星外天体{カイパーベルト天体、オールトの雲天体、彗星}   [問題] 「惑星」の数はいくつか?       ① 5個、 ② 6個、 ③ 8個、 ④ 9個   [問題] 「準惑星」にはどんなものがあるか?           → 冥王星、エリス、ケレス、マケマケ、ハウメア  ・太陽系の形成            → 太陽系は、星雲の中の雲が集まって収縮してできた。   → 収縮してくると、雲は円盤状になって回転する。「回転ガス円盤」       (右図は、電波望遠鏡「アルマ」の観測した回転ガス円盤)   → 雲がさらに収縮すると(雷雲の中で雨粒ができるように)小さな     かたまり「微惑星」ができる。 (直径数km)       → 微惑星がだんだん集まって「原始惑星」ができる。     (直径1000km程度、たくさん)   → 原始惑星が衝突合体を繰り返して現在の惑星ができる。   → 惑星になれなかった原始惑星や微惑星、および衝突した惑星の     破片などが、今の小惑星として残っている。      → 小惑星は昔の太陽系のすがたをとどめているのではないか。   → 火星と木星の間は間隔が大きく、他の惑星の引力の影響が少ないので、      微惑星や原始惑星がたくさん残った。     (他の場所では、近くの惑星の影響で消滅してしまった)   → 海王星の外側にもたくさん残っていて、「カイパーベルト天体」と     呼ばれる。
*「小惑星」について        → 『星の王子さま』の小惑星。       番号は「B612」ということ     になっている。  ・「リュウグウ」などの小惑星          一番大きい小惑星は、「準惑星」に指定されている「ケレス」    (直径約1000km)        「リュウグウ」でも星の王子    さまよりずっと大きい。     → リュウグウもイトカワも、微惑星が衝突してバラバラになった破片が、また集まって      かたまりになったものらしい。    → これまでのサンプルリターンの分析では、生命のもとになる物質(有機物)や水なども      発見されているが、くわしいことは来月のおはなしで。  ・小惑星のリスト    → 『星の王子さま』の小惑星「B612」という名前はない.
◎今月の実験工作 *はやぶさ2のペーパークラフト   → 作り方のページ         ・パラボラアンテナと平面アンテナ  ・サンプルの採取方法     はやぶさ2     オシリス・レックス