青い銀河のカタログKUG 概略
*「銀河」とは
+「天の川」の研究の歴史
・ガリレオ,初めて望遠鏡で天の川を観察し,星の集まりであることを確認.
・ハーシェル,天の川の恒星の分布図を作成 > 参考図
・シャプレー,球状星団の観測から,太陽系が中心から外れた「銀河系宇宙」を提唱 > 参考図
・シャプレーとカーチスの大論争,
「渦巻き星雲は,銀河系内天体か,銀河系外天体か」 > 参考図
・ハッブル,M31, M33 が銀河系外であることを確認(1924年) > すばるで見た M31
・電波観測で,銀河系が(太陽系から離れたところを中心とする)
渦巻き型であることを確認 > 参考図 (出典: )
・赤外線観測で,銀河系が「バルジ」と「ディスク」の構造であることを確認
> 参考図 (2MASS の観測データより)
※渦巻き星雲は「星雲」ではなく「銀河系」と同じ天体であることがはっきりして,「島宇宙」,
「銀河系外銀河」などと呼ばれていたが,近年,「銀河」という呼称が確定した.
> 英語では,我々の銀河系は "(our) Galaxy",一般の銀河は "galaxy" というように区別.
※参考図は,岡村定矩著『銀河系と銀河宇宙』より.
*銀河の分類,銀河群,銀河団
+ハッブル分類 > 参考図 (岡村)
+銀河の小規模な集まりを「銀河群」,大規模な集まりを「銀河団」という
> 参考図1 (ハッブル望遠鏡), 参考図2 (スピッツァー宇宙望遠鏡のページ より)
+「コンパクト銀河群」,「衝突銀河」,などもある
> ヒクソン・コンパクト銀河群40 (すばる望遠鏡のページ より)
ステファンの5つ子 (ハッブル望遠鏡)
> 衝突銀河は,動画参照
国立天文台,4D2Uプロジェクトより,画面下部の GOTO MOVIES を選び,
「渦巻き銀河の形成」を見る.
ハツカネズミ銀河 (Mice galaxy) 衝突のシミュレーション (YouTube より)
*木曽観測所,シュミット望遠鏡,サーベイ観測
+東京大学理学部,木曽観測所 > ホームページ
+シュミット望遠鏡 > 参考図1 (岡村), 参考図2 (木曽観測所)
> 反射望遠鏡では,どんなに精密に放物面鏡を作っても,周辺で「コマ収差」が出る.
放物線は「2次曲線」であるが,さらに高次の曲線を用いた「シュミット補正板」を
用いて,コマ収差を除く. > 「シュミット望遠鏡」 > 広視野の観測ができる.
+サーベイ観測
> 全天,あるいは広い天域をくまなく観測することを「サーベイ観測」という.
> シュミット望遠鏡は広視野のため,サーベイ観測に適している.
・パロマーサーベイ: アメリカ,パロマー山天文台のシュミット望遠鏡による,赤緯-30度
以北の全天を,936枚の写真乾板でサーベイしたもの. 参考 (SDSSページより)
> シュミット望遠鏡とハッブル
> DSS, Digitized Sky Survey サービス
・SDSS(スローン ディジタル スカイ サーベイ): アメリカ,ニューメキシコ,アパッチ
ポイントにある専用望遠鏡に,大型CCDカメラを取り付け,銀河北極の天域を中心に
広領域サーベイを行ったもの. > SDSS Sky Server ページ
> SDSS ホームページ
> 撮影天域 (DR7 のもの)
*KUG (Kiso survey for Ultraviolet-Excess Galaxies)
+木曽観測所,紫外超過銀河サーベイ > 仮ホームページ
> 1960年代初めに,中心部からたいへん高エネルギーの放射を発している「クエーサー」
などの銀河が次々と発見された.これらを「活動銀河」という.
> これらの中には,高エネルギーの光,すなわち「紫外線」を強く発する銀河が多かった
ので,紫外線の強い銀河をサーベイする試みが行われるようになった.
> 日本では,木曽観測所シュミット望遠鏡の建設に尽力された高瀬文志郎先生によって,
1984年代初め頃から,この望遠鏡を用いた「紫外超過銀河サーベイ」が行われた.
> 高瀬先生の退職後は宮内良子さんに引き継がれ,2010年に9908個の紫外線の強い銀河
(KUG天体)のカタログが刊行された.
+KUG天体と SDSSサーベイ画像との比較
> 現在,KUG天体の中で,SDSS撮影天域に入っているものについて,その画像を採取し,
検討を行っている.(実際,どのような銀河がKUG天体として拾われたか)
> KUG天体分布図(赤印がSDSS天域に入っている,6653銀河)
> 具体的にどのような銀河があるか,特徴あるものを例示.
> 仮ホームページから,「SDSS画像データ」に入る.