◎前回の復習 (
前回のページ)
*はやぶさ2の仕事は何か?
→ 小惑星のサンプルリターン
*太陽系と小惑星について
→ 惑星になれなかった原始惑星や微惑星、および衝突した惑星の
破片などが、今の小惑星として残っている。
*はやぶさ2のサンプルリターンからわかったこと:
→
先月の天文講座の説明図
→ リュウグウの母天体は、太陽系の外側の方で生まれた。
その後、大きい惑星の引力で、内側の方へ移動した。
母天体には温泉があった。
母天体は他の小惑星と衝突して一度ばらばらになり、また集まって
(より小さな)リュウグウになった。
→ その他にもいろいろなことがわかったが、また別の機会に。
◎今月の太陽黒点
太陽の爆発の様子 ========>
→ 爆発はだいぶ下火になった。
(
右図の出典)
本日の太陽画像(SDOのページ)
→ 黒点もだいぶ少なくなった。
◎今月の星空
*11月25日に、月と木星が大接近
→ (フリーソフト)ステラリウムで。
*12月14日ころ、ふたご座流星群
→ 空の暗いところへ行けば1時間に数十個見えるという予想。
(
国立天文台、説明ページ)
◎今月のお話し ブラックホールとその見え方
*「ブラックホール」とはどんなものか?
→ 皆さんの知っていること(?)
・強い引力で何でも吸い込む、宇宙に開いた恐ろしい穴。
・吸い込まれたら2度と出てこられない。
・光でさえも吸い込まれてしまうので、「黒い穴」になっている。
・ブラックホールは実際に存在し、観測されている。
・吸い込まれると、その先は他の宇宙に通じている???
*「ブラックホール」はどのようにして登場したか?
→ アインシュタイン博士の「相対性理論」から出てきた。
(
右図の出典)
・アインシュタイン博士と相対性理論
→
アインシュタイン博士の画像
(アルバート・アインシュタインと入力し、画像をみる)
→ ブラックホールに関係する相対性理論
=「
一般相対性理論」
→
物体には「万有引力」があるが、これは物体の
引き起こす「時空のゆがみ」によるものである。
(「時空」とは?)
→ 一円玉を水に浮かべて、シミュレーション実験を
してみよう。
(2021年10月のジュニア天文教室でやった)
一円玉の実験の図
→ 2枚の一円玉のゆがみが「引力」になる実験
(みんなでやってみよう)
・相対性理論から、どのようにしてブラックホールが出てきたか?
→ ドイツのシュバルツシルト博士が、
計算によって導き出した。
(
右図の出典)
アインシュタイン博士の、一般相対性理論の方程式
シュバルツシルト博士の、ブラックホールの方程式
→ この方程式は「
ある程度巨大な引力を作ると、ゴム膜のような時空が
破れて、底抜けになってしまう」ということを示す。
→
*ブラックホールは宇宙に存在するのか?
・時空が底抜けになるような巨大な引力は、実際に作れるのか?
→ 物体をどんどん圧縮して小さくしてゆけば、どんな大きい引力も作れる。
→ しかし、底抜けにするためには、
地球くらいの大きさの物体を
1cm まで小さくする必要がある。 → これは不可能。
→ 太陽を圧縮して 10km にする。 → これも不可能。
→ 太陽の3倍重たい星をつぶして 30km にする。
→
これは「中性子星」として可能!
→ それらしい星がはくちょう座にあるけれど、
見えないので確認できない。
・どうやったら底抜けのブラックホールを確認できるか?
→ ブラックホールに天体が吸い込まれるときには、
ばくだいなエネルギーが放出される。
→ これは、
強力な電波やジェット噴出の形で表れるから、
それを探せばよい。
→
参考動画
→ 1995年、野辺山電波天文台の中井博士が、
M106銀河の中心に不思議な電波を発見。
→ これを詳しく調べたところ、中心に太陽の
3600万倍の重さの天体があることがわかった。
→ ジェットも発見され、ブラックホールが確実に
存在することが初めてわかった。
→
新聞記事
(
右図の出典、中井博士の紹介もある)
→ M106銀河と同じような天体は、他にもたくさんあり、
宇宙はブラックホールだらけである。
→ 天の川銀河の中心にも、太陽の400万倍の重さの
ブラックホールがあることがわかっている。
※ 今日の5時からの天文講座のお話は、これらのブラックホールが
どのように見えるかというお話。
くわしいことは次回復習のときに。
*ブラックホールについての質問
・ブラックホールに吸い込まれるとどうなるか?
→ 小さいブラックホールに大きなものがすこまれるときは、強力な引力でバラバラにされてしまう。
しかし、巨大なブラックホールに小さいものが吸い込まれるときは、バラバラにならず、そのまま
入って行くことができる。
・ブラックホールの中はどうなっているのか?
→ (見ることはできないので、すべて
計算 でのお話し。)
→ 底抜けの中心に向かってどんどん落下して行き、後戻りできない。
→ その先はどうなっているかは、現在の科学では計算できない。
・ブラックホールの逆の「ホワイトホール」はあるのか?
→
計算では存在することが可能である。
→ しかし、現実の宇宙では「逆の引力」が存在しないため、ホワイトホールを作ることができない。
・ブラックホールの底抜けの先が、他の宇宙につながってしまうという
ことはないのか?
→
計算では可能であり「アインシュタイン・ローゼンの橋」と呼ばれる。
→ つながった先の宇宙では「ホワイトホール」になる。
→ このようなものを「ワームホール」という。
→ 他の宇宙からのワームホールの出口のようなものは、まだ発見
されていない。
・ワームホールが、私達の宇宙の他の部分とつながってしまうという
ことはないのか?
→
計算では可能であり、もしできれば「ワープ」が
可能になる。
・ ???