駿台学園ジュニア天文教室,2024年1月20日
タイトル: オリオン大星雲
講 演 者: 中嶋浩一
※ホームページの見方について
http://sundai.sakura.ne.jp
◎前回の復習 (
前回のページ)
*アルマ電波望遠鏡
◎今月の太陽黒点
可視光黒点
(12/17 - 12/31) (01/01 - 01/17)
紫外線
(12/17 - 12/31) (01/01 - 01/17)
→ 黒点はたくさんあったが、大きい爆発はなかった。
◎今月の星空
*冬の星座と、その見つけ方 (ステラリウム)
今夜、夜8時の南の空
→ まず「オリオン座」
続いて「冬の大三角形」、ベテルギウス、シリウス、プロキオン
右側へ行って「おうし座」、アルデバラン
上の方は「ふたご座」、カストル、ポルックス
→ おうし座、ふたご座は、生まれた月の星座 (星座一覧)
この図から、次は「かに座」と「しし座」があることがわかる。
(実際には、かに座や「おひつじ座」はわかりにくい。)
◎今月のおはなし オリオン大星雲
*オリオン座の形と図
図
*オリオン大星雲の位置と見え方
図
→ 小さな双眼鏡でよく見える(ステラリウム)
拡大写真
図
→ 赤い大星雲
*大星雲の観察
赤い色は「水素ガス」の色
→ 宇宙のガスは大部分が「水素」でできている。
→ 水素は「紫外線」を受けると、赤い色の「蛍光」を発する。
→ 星雲の真ん中に、紫外線をたくさん出す「高温の星」がある。
*高温の星「トラペジウム」の観察 (トラペジウム=台形)
→ 生まれたばかりの、元気の良い高温の星。
→ 小さな望遠鏡でもよく見える。
→ 高温の星は青白い光を出しているので、近くの星雲は青白い。
※ このような高温の星は「短命」なので、なかなか見られない。
*周囲の「暗黒星雲」の観察
→ 赤い大星雲の周りには、濃密な「暗黒星雲」がたくさんある。
→ その暗黒星雲が、中の星に照らされて「蛍光」を発したのが赤い
大星雲。 (これを「散光星雲」という)
※ 水素ガスは、高温の星の「紫外線」で、赤い色の「蛍光」を発する。
図
*「入道雲」の中で水蒸気が集まって「雨粒」になるように、
「暗黒星雲」の中で水素ガスが集まって「恒星」ができる。
→ オリオン座の巨大な暗黒星雲の中で、つぎつぎと星が誕生している。
→ 雲が晴れると、誕生した星と、それに照らされた「散光星雲」
が見える。
→ オリオン大星雲は、誕生したばかりの星「トラペジウム」が、
暗黒星雲の晴れ間から見え始めたところ。
*「赤外線」や「電波」で暗黒星雲の中を見ると、星がたくさん生まれて
いるのが見える
左の写真は可視光(目に見える光)、右は赤外線で撮影したもの。
(出典:左は
岡山県井原市のページより、右はスバル望遠鏡より)
→ 赤外線で星雲の中を見ると、星がたくさんできているのがわかる。
→ 赤外線では、「爆発」のようなものも見える。
*「アルマ電波望遠鏡」を使って星雲の中を見ると → 右図
→ これは、大きな星が衝突、爆発したものと考えられている。
(出典: 右図は
アルマ望遠鏡)
*さらに、電波でオリオン座全体を見ると、オリオン大星雲と
「馬頭星雲」のところに、星がどんどん誕生している大きな暗黒星雲
があることがわかる。 (
馬頭星雲)
*宇宙には、暗黒星雲の大きなかたまりがあちこちにあり、オリオン座のあるところ
もその一つである。
(出典:http://orionsky.net/?p=11303、https://stellarscenes.net/object/orinebula.html)
※
オリオン大星雲の中を見る想像図
◎紫外線と赤外線の実験