駿台学園,ジュニア天文教室,2020年12月19日
(オンラインで実施)
※ホームページの見方について
http://sundai.sakura.ne.jp
◎前回の復習 (前回のページ)
*太陽黒点のおはなし
→ 久しぶりに黒点が見えるようになった.
→ 黒点の観察.
*11月~12月の星ぞらのおはなし
→ 「ふたご座流星群」,「はやぶさ2の帰還」,など.
*長野県,木曽天文台の「トモエゴゼン」のおはなし.
◎太陽黒点
*今月の黒点の観察:
→ SDO衛星の映像
→ 黒点の変化のようす,太陽の自転,などがよくわかる.
*今月は黒点領域での爆発(太陽フレア)も起こった.
→ SDO衛星の紫外線{しがいせん}映像
→ 紫外線という光で見ると,爆発(太陽フレア)が良く見える.
→ 太陽の爆発の影響で,地球でオーロラが出るのではないかと予想されたが,
残念ながら出なかった.
◎秋~冬の星空,今月のニュース
*12月6日,「はやぶさ2」帰還
→ テレビニュース(ユーチューブ)
*12月17日,夕方の西の空で,三日月と木星と土星が接近.
→ 家のベランダで撮影
*12月21日,夕方の西の空で,木星と土星が大接近.
→ アストロアーツの解説記事
→ このような大接近は,約400年ぶり.
一つの望遠鏡で木・土の2つを同時に見られるのは,人類の歴史で初めて.
→ ステラナビゲータを利用して観察.
◎暗黒星雲と星の誕生 (なぜ,星は星雲から生まれるのか)
→ 今日のおとなの天文講座は「暗黒星雲」のおはなしなので,
ジュニア天文教室は暗黒星雲と,星の誕生についておはなしします.
*「星雲」とは なにか?
→ (前回お見せした)オリオン座の写真
(同)シュミット望遠鏡による拡大写真
→ 夜空には,キラキラ光る「星」だけでなく,ぼんやりと広がっている「雲」の
ような天体もある. →「星雲」
→ オリオン座の星雲のほかにもたくさんある. → Google Sky
→ (例)夏の大三角形,夏の天の川のあたり 「北アメリカ星雲」
→ ぼんやりした天体の写真集 (国立天文台)
※ フランスのメシエという人がこれらの天体のリストを作った
ので,これらを「メシエ天体」と呼ぶ.(8月15日のジュニア天文教室で説明)
(例)M1(かに星雲),M8(干潟{ひがた}星雲),M27(亜鈴{あれい}星雲),
M42(オリオン大星雲),M57(ドーナツ星雲)
※ ぼんやりしているように見えるが,よく見ると(雲ではなく)小さな星の集まり
であるものもある. → 「星団」
(例)M4(さそり座の球状星団{きゅうじょうせいだん}),M44(かに座のプレセぺ星団)
※ 雲が渦をまいているように見えるが,よく見ると(雲のうずまきではなく)天の川の
ようなものであることがわかる. → 「銀河{ぎんが}」
(例)M31(アンドロメダ大銀河) → すばる望遠鏡の写真 (拡大してみる)
[参考] 夏の天の川の写真
→ こんな星雲もある! (例)M16(わし星雲) 国立天文台,メシエ天体で説明.
→ 真ん中の黒い雲のような星雲が「わし」の形に似ている. [参考] わしの図
→ このような星雲を「暗黒星雲」という.
(ほかの例)オリオン座 拡大すると 馬頭{ばとう}星雲
*「暗黒星雲」とは なにか?
→ 光る星雲も暗黒星雲も,もとは同じもの. (光る星雲 =「散光{さんこう}星雲」)
→ Google Sky
→ 光る星雲は,近くにある星の光を反射して光っている.(散光星雲)
近くに星がなければ,暗黒星雲になる.
かがやく天体を背景にすれば,暗黒星雲がわかる.
→かがやく天の川を背景にした暗黒星雲.→ 図(学芸大学のページより)
(ほかの例)南の空の天の川にある暗黒星雲「石炭袋」 (日本からは見えない)
→ 天体写真 (引用元) 石炭袋の右側に「南十字星」が見える.
※ 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』に, 南十字(サザンクロス)と石炭袋が出てくる.
→ 銀河鉄道の夜 → ユーチューブアニメ
→ サザンクロスと石炭袋 (0:27/9:21, 4:50/9:21)
*暗黒星雲の中では,星が生まれている.
→ 星が生まれてかがやき始めると,まわりの星雲が照らされて光る星雲になる.
→ 星はどうやって生まれるか?
1)暗黒星雲の中で,あちこちに雲のかたまりができる. 図
2)かたまりは,万有引力{ばんゆういんりょく}でだんだん小さくなって行く
(収縮{しゅうしゅく}してゆく). 図
3)収縮すると中心で熱が発生し,熱くなってかがやき始める. 図
4)中心の熱くなった部分が星となり,まわりの星雲は,回りながら収縮して「惑星」になる. 図
→ ALMA 望遠鏡がとらえた,オリオン座(暗黒)星雲の中の星の誕生. 図
(例)オリオン大星雲
→ 中心で生まれた4つの星の光で,まわりの星雲が光る星雲となっている.
(例)天の川の暗黒星雲と,干潟星雲 拡大
→ 大きな暗黒星雲の中で星が誕生し,まわりを照らして「干潟星雲」になった.
※ 星の研究で,暗黒星雲の研究はとても重要.
南米チリにある「ALMA(アルマ)電波望遠鏡」が,大活躍している. → アルマ,ホームページ
おしまい