9月19日、駿台ジュニア天文教室    
これから駿台ジュニア天文教室を始めます.
はじめての人のために,ジュニア天文教室のホームページを紹介します.
駿台学園天文講座 リンクへ
前回の質問について,いろいろ調べて少しわかったことをおはなしします.
→ 生まれた日の星座は,その日に太陽がとどまっていた星座だから,
   星座は太陽の後ろになっていて,見えない.
 → ステラナビゲータで見てみよう.
   ふたご座:5/21~6/21
 → 太陽が5/21~6/21に確かにふたご座を通る.
※ しかしこれは2000年前,紀元20年の星座で,現在の2020年には
  約1か月分ずれている!
   → これについては,また機会をあらためて説明.
さて,今日の「はやぶさ2と小惑星」のおはなしです.
まず,「はやぶさ2」について.
「はやぶさ2」は,日本が2014年に打ち上げた「小惑星探査機」で,  
2019年2月と7月に,小惑星「リュウグウ」への着陸(タッチダウン)に成功.
今年の12月6日に,サンプルを持って地球に帰ってくる.
  (図は 宇宙科学研究所のページ より)
はやぶさ2の先輩の「はやぶさ」1号機は,2005年11月,小惑星「イトカワ」
に着陸(タッチダウン)し,わずかだったが表面の物質資料を持ち帰った.
  (図は 毎日新聞のページ より)
はやぶさ1号機はいろいろなトラブルがあったが,2号機は順調に進み,
今年の 12月6日に地球にリュウグウの表面物質資料を投下する予定.
投下後は,はやぶさ2はふたたび宇宙に飛び立ち,他の小惑星の探査に
向かう予定.
   JAXAページ  最新のニュース
これから,はやぶさ1号機や はやぶさ2 が探検した「小惑星」について
説明します.
・「小惑星{しょうわくせい}」ってなに?
・「惑星」を知ってるかな? 「太陽系」ってわかるかな?
・「惑星」は,普通の星のような星座を作らず,時期によって場所を
 変えてゆく.(ステラナビゲータ)
・いくつくらい惑星がわかるかな?
・この夏は,特に木星と土星が良く見えている.
  (9月16日のステラナビゲータ) 
・ここで「クイズ」です!
・答え
・「惑星がこのように動くのは,地球や惑星が太陽のまわりを回って
 いるからだ」ということをコペルニクスという人が発見した.
  (図は ウィキペディア より)
   (ステラナビゲータ,黄道表示)
   (ステラナビゲータ,太陽系表示)
 → たしかに惑星が太陽の周りを回っている!
・宇宙シミュレータ―「ミタカ」で見てみよう.
  ミタカ,ホームページ
   (MITAKA 画面,地球から離陸)
 だんだん地球から離れていきます.
 月が見えてきますが,たいへん小さいので,軌道{きどう}で示されています.
 地球もずいぶん小さくなって,軌道で表されるようになります.
 ほかの惑星の軌道も見えてきました.
 軌道のない,すごい数の惑星! → たいへん小さい惑星 → 小惑星
  火星と木星の間にたくさんある.
   ほかの場所にもいろいろある.
 地球のそばを通過するものもある. → リュウグウの軌道 
    いつか衝突するか? → 衝突危険小惑星に分類されている!
    1億年以内には,衝突するか,地球をかすめて軌道が変わり,
    宇宙に飛び去るか太陽に突入する.
・小惑星って,どんな星だろう?
 → 『星の王子さま』という本に出て来る.
   「B612」という名前がついている.
   (図は 岩波書店のページ より)
 『星の王子さま』には,他にもいろいろな小惑星がある.
  (著作権のため、拡大表示はありません)
・実際の小惑星は,もっと大きい.  (図は JAXAのページ より)
 (小さいのもたくさんあるが,それは地球からは見えない.)
 → 王子さまを「リュウグウ」の上に置いてみると…
・一番大きい小惑星は,リュウグウの1000倍もある.
 → ケレス(「ミタカ」に軌道が描いてある) 
    → 小惑星を卒業して,「準惑星」に昇格した(2006年) 
 はやぶさ1号の「イトカワ」 
  (図は JAXAのページ より)
 それぞれのおおきさくらべ.
・太陽系の惑星は,いつごろ,どうやってできたか?
 太陽系形成の考え方 理科年表オフィシャルサイト,太陽系と惑星の形成
           国立科学博物館,宇宙の質問箱
    宇宙に漂う物質が集まって,46億年前に,太陽と惑星(すなわち太陽系)ができた.
    最初の100万年で,物質があちこちで集まって,直径10~100kmの大きさの「微惑星」が
    できた(約1兆個).(そのころ太陽はまだ,ぶよぶよの大きなガスのかたまりだった.)
    1000万年くらいで,微惑星が集まって,月くらいの大きさの「原始惑星」ができた.
    1億年くらいで,原始惑星が衝突合体して,今の地球のような惑星ができた.
      (木星や土星のような大きい惑星は,また少しちがう.)
  → だから地球は,今から45億年くらい前にできた,と考えられる.   
  → 小惑星は,「微惑星」の生き残りや,原始惑星の衝突合体の際の破片の残り,と考えられる.
・どうして火星と木星の間にたくさんあるか?
 → 他のところにもたくさんあったが,木星やほかの惑星の近くでは,
   突入したりはじきとばされたりした.
 → 一番影響の少なかった火星と木星の間の大きな隙間に,たくさん残った. 
 → 小惑星は,太陽系ができたばかりの「微惑星」の姿を保存してい
   るのが多いのではないか.
 → 小惑星を調べると,45億年前のことがいろいろわかるだろう.
・「リュウグウ」のように,地球やほかの惑星に近いところにある
  小惑星はどうしたのか?
 → 小惑星同士が衝突してバラバラになった破片が,新たな小惑星になった.
    → 前述のように,いずれなくなる. → また供給される.
 ※「リュウグウ」は,8億年くらい前に100kmくらいの大きな小惑星が衝突して
   ばらばらになり,その後その破片がまとまってできたものと考えられる.(ラブルパイル天体)
    もとになった小惑星の軌道拡大図   (図は ウィキペディア より)
    緑(リュウグウ),赤(ポラナ,14億年前),青(オイラリア,8億年前)
    
・小惑星の発見と,名前の付け方
 小惑星はたくさんあるので,運が良ければだれでも見つけることができる.
    日本スペースガード協会,バッターズプロジェクト
    撮影画像
 名前の付け方
   発見されると「仮符号」がつけられる.(例,1999 JU3) 
   軌道などが確認されると正式番号が付く.(例,1999 JU3 = 162173)  命名規則
   発見者は,自分の好きな名前を付けることができる.
   (例.発見者のアメリカ LINEAR チームは,JAXA の希望を入れて,
      162173 に Ryugu という名前を付けた.)  
   ※『星の王子さま』の小惑星「B612」という名前はない.
   ※ 現在,最大の番号は 546077.    小惑星のリスト
 駿台学園に関係した名前の小惑星 (軌道の図)
   54862 駿台学園 は,駿台学園の卒業生の前野さんが発見し,命名した.
   56957 瀬尾秀彰 は,日本スペースガード協会が発見・命名した.
  (図は 高橋典嗣さんの資料 より)
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