駿台学園,ジュニア天文教室,2022年11月19日


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◎前回の復習 (前回のページ)       *望遠鏡の種類と、選び方 *月食の話 *宇宙天気予報 *前回の質問回答補足: 皆既月食と部分月食について  ・この間の月食を、ステラナビゲータで見る。  ・皆既月食と部分月食の比較   → 今回の皆既月食     来月の満月の動き → 食はないが、火星に接近       来年の部分月食の動き(10月29日、日本では見られない)     同上(影の境界線を消す)  ・右図は駿台学園天文部が撮影。    (クリックで拡大します)   → 天王星が隠れる瞬間の動画
◎今月の太陽黒点 *SDO衛星の画像の観察:         10月後半~11月前半の黒点    10月後半~11月前半の爆発状況    最近の爆発状況   → 大きな爆発はなかった。
◎今月の星空  *流星群          ・11月17日~18日: しし座流星群  ・12月14日夜: ふたご座流星群   → この2つの流星群は、他のものに比べてよく見える。 *東の空の冬の星座と火星   → 12月1日に、火星が地球にもっとも近づく。     (→ ステラナビゲータ)
◎はやぶさ2の大きな成果  → 探査衛星「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」に着地して表面の物質を    取り込み、それを無事に地球に持ち帰りました。これをくわしく調べると、    私たちのこの太陽系および惑星がどのようにして形成されたのか、生命は    どのようにして誕生したのか、などについていろいろなことがわかる、という    ことです。  → 今回の研究の一番のポイントは、「太陽系の形成の時の『なま』の物質が、直接    化学的に調べられるかもしれない」ということです。地球上の物質は、地球の    地殻変動などの影響をうけているので、「なま」の状態ではありません。また、    月面の物質も(アポロが持ち帰ったので)くわしく調べられていますが、月が形成    されたときに大きな変化を受けたと考えられ、「なま」かどうかはよくわかりません。    ほかに地球外の物質として「隕石」が化学的に調べられていますが、すでに変化を    受けていることがわかるものも多く、「なま」とは言えないことがわかります。  → 「なま」の物質の中に、生命のもとになる有機物質やアミノ酸などがどれくらい    含まれているかが、大きく注目されます。  → 物質の性質をいろいろ調べる研究を「化学」といいます。あとで化学の実験を    やります。
*はやぶさ2の映像       → JAXA(日本の宇宙開発推進のセンター)の映像 *今年になって発表された、リュウグウ物質の分析結果  ・2月8日、日経サイエンス記事   → 太陽系初期の隕石に似ている。  ・6月の発表のNHKニュース   → もとは水をたくさん含んでいる大きな天体だった。         それがある時、小天体との衝突によりばらばらになり、     それがまた集まって「リュウグウ」ができた。   → 生命のもとになる「アミノ酸」の存在が確認された。  ・JAXA, 6月10日発表(1)、学士院紀要の報告書   → 生命の起源に結びつくアミノ酸やその他の有機物     が検出された。  ・JAXA, 6月10日発表(2)、化学分析チームの報告書   → 46億年の太陽系の歴史の、始まりの500万年のころ     の物質の姿をとどめている。                     ・6月16日、アストロアーツ記事   → リュウグウの形成の歴史の図(1)  ・JAXA, 8月16日発表、海洋研究開発機構の分析チームの報告書   → いろいろな有機物を発見  ・JAXA, 9月23日発表、岩石分析チームの報告書   → リュウグウの形成の歴史の図(2)  ・JAXA, 10月21日発表(1)揮発性物質分析チームの報告書   → リュウグウは約500万年前に地球に近い軌道に移ってきた  ・JAXA, 10月21日発表(2)同上    → 「たまて箱」(コンテナの中の気体を分析)     → 参考:本日の5時からの話  ・分析に使われる大型放射光施設(SPring-8)   → 強力なX線を発生させて、物質の成分を調べる。
◎酸性とアルカリ性の実験(小学6年理科)             (右図,出典は『小学まとめ上手理科』受験研究社)   酸性は「酢」、アルカリ性は「重曹」   試薬は「BTB液」と「フェノールフタレイン」     → 酸性とアルカリ性を混ぜると「中和」して「中性」になる。