駿台学園,ジュニア天文教室,2023年5月20日
タイトル: 宇宙にある物質,原子,分子
講 演 者: 中嶋浩一
※ホームページの見方について
http://sundai.sakura.ne.jp
◎前回の復習 (
前回のページ)
*金星の動き
*「太陽」について
*「スペクトル」を見る実験
右図の出典
◎今月の太陽黒点
*SDO衛星の画像の観察:
4月後半~5月前半の黒点
→ 5月中旬から活発になってきている。
5月16日の爆発状況
5月18-19日の爆発状況
◎今月の星空
*5月から6月にかけての金星の動きと見え方
(ステラナビゲータ)
→ 6月4日に、金星が「東方最大離角」で、
「半月」の形に見える。
→ 「なぜ半月に見えるのか?」は、中学校3年生の理科。
→ 参考:
NHK for school の説明
(右図は NHK for school より)
◎宇宙にある物質,原子,分子
→ 先月のお話で「太陽はほとんどが『水素』という物質でできており、そしてそれは
『スペクトル』からわかる」ということをお話しましたが、それでは宇宙にはどんな
物質があり、それはどうしてわかるのでしょうか?
*「物質」はどうなっているか?
・
石や
木、水、空気、などの「物質」はすべて
酸素、水素、炭素、
窒素、鉄、などの「元素」からできている。
(他にどんな元素を知っていますか?)
・いろいろな「元素」が「化合」して、いろいろな「物質」を作る。
(
水は、
水素と
酸素が化合してできる)
・化合する前の元素の粒を「原子」、化合してできた物質の粒を
「分子」という。
*宇宙の物質の割合
・
太陽を構成する物質の割合は「水素原子が4分の3、ヘリウム原子が4分の1、
他はほんのわずか」ということがわかっている。そしてこれは「スペクトル」
からわかる。
・宇宙の他の
恒星もほとんど太陽と同じということが、やはり
「スペクトル」からわかる。
・
星雲の赤い光は「水素」の光であり、星雲もほとんど水素であること
がわかる。 (右図、
出典)
・
恒星はすべて星雲の中で、
星雲のガスが集まって形成される
と考えられる。
→
以上のようなことから、宇宙を構成する物質も皆「水素が4分の3、
ヘリウムが4分の1、他はほんのわずか」であると考えられる。 (右図、
出典)
※
宇宙が、超高温の火の玉から「ビッグバン」によって始まったとすると、
宇宙の最初の物質は「水素が4分の3、ヘリウムが4分の1、他はなし」
ということが物理学によってわかる。
? 質問はありますか?
*宇宙の中の「分子」
・宇宙の中でも、星雲のように物質の集まっているところでは、
原子と原子がぶつかりあって化合して「分子」ができる。
→ 「星間分子」という。
・分子は「電波」を出すので「電波天文学」によって観測できる。
・日本の「野辺山電波天文台」(右図)が、たくさんの「星間分子」
を発見している。
→
星間分子のリスト(ウィキペディア)
→ 生命のもとになる物質「有機分子
{ゆうきぶんし}」もたくさん発見されている。
→ 生命は宇宙からやってきたのではないか? (今日の大人のおはなし)
◎分子模型を作る
・
水は、
酸素原子1個と
水素原子2個が化合した「分子」である。
・水素の記号は
H、酸素の記号は
Oなので、水の記号は
H2O
と書き、「エイチツーオー」とよむ。
・水素の「腕」の角度は、約104° (右図)
・メタンガスの分子 (
出典)
・二酸化炭素
(
出典)